かつて「新御三家」の一角としてトップアイドルとして活躍した西城秀樹さんが5月16日、急性心不全で亡くなった。63歳だった。70年代に国民的アイドルとして活躍していた西城さんだが、03年に脳梗塞を発症して活動を停止。06年に復活を果たすものの11年には再発し、芸能活動は休止状態となっていた。
NHK紅白歌合戦には74年に「傷だらけのローラ」で初出場を果たしてから11回連続で出場の常連に。現在でもアニメ「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系)で「ヒデキー!」と当時の女子が熱狂するシーンが映し出され、若者にもその名前は知られている。そんな西城さんの訃報に多くのファンが悲しむ中、ビジネスマンや海外スポーツファンからも感謝の声があがっているという。
「西城さんにとって最大のヒット曲となった『Y.M.C.A.』(YOUNG MAN)は、78年にアメリカ人グループのヴィレッジ・ピープルがリリースしたものがオリジナルで、西城さんの曲はその替え歌に当たります。そして同曲はアメリカでも定番中の定番で、プロスポーツの試合をはじめ、イベントやパーティーでこの曲がかかると、その場にいる全員が『Y.M.C.A.』の文字を手振りで表現するのはおなじみの光景。40年前の曲ながら、13年の映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』でもラストシーンでミニオンズたちが踊りまくるなど、若者にもよく知られています」(アメリカ在住歴を持つライター)
田中将大投手が在籍するヤンキースでは、ホームゲームの6回終了後に行われるグラウンド整備の際に、グラウンドキーパーたちが「Y.M.C.A.」を踊るのがお約束。観客も一斉に「ワーイ・エム・シー・エー!」と笑顔満面で手を振りながら大合唱を楽しんでいる。
「もし西城さんが『Y.M.C.A.』をヒットさせていなかったら、日本人は周りの観客が踊りまくるなか、ポカーンと孤独感を感じていたはず。スタジアムでは他にもアメリカ人にとっての定番曲が次々と流れますが、日本人ファンがその大合唱についていけないシーンは珍しくありません。それが『Y.M.C.A.』なら周りと一緒に楽しめるのですから、まさに『西城秀樹、ありがとう!』という感謝の気持ちですね」(前出・ライター)
田中投手が登板する試合で多くの日本人ファンが「Y.M.C.A.」を踊る光景には、西城さんも雲の上から「ヒデキ、カンゲキ!」と喜んでいるだろう。
(白根麻子)