草なぎ剛にとって、俳優・大杉漣さんを失った悲しみは計り知れないものがある。大杉さんは2月21日、急性心不全のため急逝。ドラマ「バイプレイヤーズ」(テレビ東京系)撮影中の突然死だった。草なぎとは、03年放映の連ドラ「僕の生きる道」(フジテレビ系)を境に、シリーズ共演が相次いだ。同作からスタートした“僕シリーズ3部作”では、「僕と彼女と彼女の生きる道」(04年)、「僕の歩く道」(06年)。さらに、“復讐シリーズ2部作”である「銭の戦争」(15年)、「嘘の戦争」(17年)でも、大杉さんは作品に欠かせないキーマンだった。
「2人をつないだのは、ギターです。多趣味の草なぎが、新たにギターを始めたきっかけが、大杉さんだったのです。13年に主演舞台『二都物語』で共演したとき、大杉さんはいつもギターを抱えて稽古場にやってきては合間に弾いた。その姿を『大人だなぁ。カッコいいなぁ』と思ったことがギターを始めるきっかけになりました」(エンタメ誌ライター)
今年3月、惜しまれながら終了した「『ぷっ』すま」(テレビ朝日系)で、ギターテクニックを高めるための企画“ギターマンアルペジオへの道”をやっていた。大杉さんとはその企画内で、泉谷しげるの名曲「春夏秋冬」をセッションしている。さらに、一緒にミュージシャン・斉藤和義のライブを観にいっている。以降、草なぎは斉藤の大ファンになった。
「草なぎは『銭の戦争』『嘘の戦争』を撮影していたとき、大杉さん、藤木直人と休憩時間を利用して、熱心に練習。まだペーペーの草なぎに2人は、新しいコードを教えるなどしていたとか。3人は夢中になるあまり、スタッフから撮影再開の号令がかかっても、なかなか出て行かないとか、まるで子どものようだったそうです」(前出・エンタメ誌ライター)
香取慎吾とのラジオ「ShinTsuyo POWER SPLASH」(bayfm)では、リスナーから送られてきた歌詞をもとに、ギターを草なぎ、歌を香取が担当するコーナー“しんつよ即興ソング”がある。大杉さんとの出会いから15年。育んだギター生活は今も、ラジオのなかで生きている。
(北村ともこ)