またしても過剰なコンプライアンスがバラエティ番組制作の足かせとなってしまったようだ。
お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実が進行を務める「トコトン掘り下げ隊! 生き物にサンキュー!!」(TBS系)が、9月をもって放送終了となることを「東スポWeb」が報じた。
同紙によると、一般人の双子の女児がメス猫とじゃれ合う様子を収めたシーンに多くの非難が集まったことや、タレントのデヴィ夫人が一般男性の飼うラブラドールレトリーバーを散歩中に「コラッ!」と尻を叩いた場面などに対し、ツイッター上で批判が相次ぎ“プチ炎上”状態になったという。
しかし、多くの動物好きから支持を得ている同番組の打ち切りを知ったネットユーザーからは「騒ぐなら見なきゃいいのに。何でも虐待だの体罰だのって騒ぎすぎ」「楽しく拝見させて頂いていたが不快と思うことはなかった」「楽しみに見ていたので残念」「テレビはクイズ番組と健康番組ばかりになりますね」など、打ち切りを嘆く声が多数届いている。
「視聴者は気に入らないことがあればネットで言わずにはいられず、テレビ局はネット上での批判を無視できず、ますます番組作りに広範な“配慮”を余儀なくされるという現状があります。結果、新しい試みや斬新な番組が淘汰され、ウケている番組の追従で番組表が埋め尽くされるという悪循環に陥っている。番組に携わる出演者、作り上げてきたスタッフがその都度、煮え切らない思いで人気番組に終止符を打たざるを得ないのは残念なことです」(テレビ誌ライター)
今後は、“鉄板”と言われる動物番組でも、より一層の気遣いが求められるのだろう。
(木村慎吾)