職場の新人や親せきなど、10~20代前半の若者とSNSでコミュニケーションをとることはありませんか? そんなとき、思わぬSNS上での言動により、若者に嫌われてしまう可能性も…。そこで、スマホ用日本語入力キーボードアプリ「Simeji」の開発者・デザイナーであるバイドゥの矢野りんさんに、今どきの若者のスマホコミュニケーションについてお話を伺いました。
「Twitterでの『#予測変換の暴走の見守り』というカテゴリーのネタに、若者のクリエイティビティの高さを感じています。例えば、「なつ」と入力したとき先頭に出てくる候補をタップしてから、次に出てくる予測変換の先頭をただただ押し続けて一つのツイートを作るのです。支離滅裂ながらも、なんとなく意味を形成している仕上がりのツイートを楽しむのですが、結果が偶然の産物なので面白さを狙う必要がなく、誰でも参加できる点がすごいなと感じます。日本人は他国に比べてSNSでの発言機会が少ないといわれていますが、その分、参加のハードルを『お題』でいかに下げるかという工夫については、とても長けているのではないかなあと思います」(矢野さん)
また、若者とスマホでコミュニケーションをとるときに注意したい点を聞くと、「予測変換暴走のように、若い人はSNSを『他人同士でもネタでつながって楽しみ、しがらみなくバラけていく』場所としてとらえています。特定の人をフォローするケースもそれほど多くはないようです。そうしたしがらみを求めない彼ら彼女らに、人生論とか具体的過ぎるアドバイスをぶっ込むと、引かれるだろうなあと思います。タイトルが『ご報告』みたいな人間関係ありきの投稿も、他者が他者に向ける関心のはかなさを悟っている若者からすると、『何様かよwww』と思われてしまう可能性がありますね」と矢野さん。
大人としては若者にもの申したくなるときもありますが、そこはグッとこらえるべきシーンもあるようですね。若者の文化や感覚を広くとらえて理解することも、うまくやっていくためには必要といえそうですね。