石原さとみの主演ドラマ「高嶺の花」(日本テレビ系)の第9話が9月5日に放送された。この回では華道家元の長女である石原が、実は家元の実子ではなかったことを知るという波乱のエピソードを展開。その一方で、前々週から登場していた新キャラ・香里奈の正体が判明する場面もあったが、その正体について「絶対にありえない!」と憤慨する視聴者が少なくなかったという。
「香里奈は前週まで看護師を名乗り、石原が一度は結婚を決意した自転車店店主の峯田和伸に近づいていました。ところが香里奈は石原と中高一緒の親友で、石原が峯田の本心を探るために送りこんだスパイだったのです。そうしたサプライズは構わないのですが、問題は香里奈の正体が優秀な脳外科医だという点。それは絶対にありえないことであり、脚本のお粗末さを露呈する結果となりました」(テレビ誌ライター)
今回は石原の部屋に香里奈が泊まっているシーンからスタート。そこで香里奈は「大体、私を誰だと思ってるの?言ってみな」と言い放ち、なぜか石原に他己紹介させたのだが、そこで明かされた「日育病院グループのお嬢様で、優秀な脳外科医」という肩書が失笑モノだというのだ。
「脳外科医(脳神経外科医)になるためには医学部卒業後に2年間の初期臨床研修を修め、さらに脳神経外科学会が認定する4年間の『研修プログラム』を受ける必要があります。ここで初めて専門医認定試験の受験資格が得られるので、早くても31歳になる年度でないと脳外科医にはなれないのです。ところが劇中で香里奈は30歳、同級生の石原は29歳という設定ですから、どんなに香里奈が優秀な若手医師だったとしても研修プログラムの最終年度を受けている身に過ぎません。いくらドラマが作り話とはいえ、医療分野の制度に反する設定はさすがに問題アリと言わざるを得ませんね」(医療系のライター)
かつてはヒット作を連発した脚本家・野島伸司氏の起用で話題の「高嶺の花」だが、どうやら時代だけではなく制度まで読み違えてしまっているようだ。
(白根麻子)