9月18日、俳優の織田裕二主演の恋愛ドラマ「東京ラブストーリー」(フジテレビ系)の再放送の第1話と第2話の視聴率がそれぞれ2.3%と3.1%だったことがわかった(ビデオリサーチ調べ)。
1991年に織田裕二と鈴木保奈美、江口洋介というキャストで構成され、初回放送時の平均視聴率が22.9%、最高視聴率に至っては32%を超える社会現象ともなった同ドラマだが、14年ぶり7回目となった今回の再放送ではその数字は現時点で一桁に留まっており、当時のフィーバーの再現とまでは至っていない。
その原因として考えられるのは、やはり当時と現在のテクノロジーの差があるのではないか、という声がある。若者による“恋愛の形”があまりにも変化しているということだ。
「1人1台のスマートフォンを当たり前のように所有し、LINEで既読しているかどうかすらも判明してしまう現代の若者が、固定電話と公衆電話しか連絡手段の無い1991年当時の恋愛模様を理解するのは難しいかもしれません。『東京ラブストーリー』では、メモ書きが荷物によって埋没し、大雨の中で待ちぼうけするといった“すれ違い”にヤキモキした時間を過ごすというのがドラマの本筋になってますし、そのヤキモキに共鳴しながら楽しむドラマです。“既読スルー”で痴話喧嘩に発展してしまう現代の若者のカップルには、固定電話で相手からのレスポンスを待つという醍醐味は到底共感できないでしょうね。平均視聴率が想像を下回る数字となったのは現代のスマホ文化と無関係ではないかもしれません」(テレビ誌ライター)
ネット上では、連絡ツールの進歩による恋愛形式の変化に加え、まとめて録画した上での“一気見”をする視聴者層が増えたのではないかという指摘もある。もちろん1991年当時はテレビ放送を録画するという文化があまり一般的ではなく、“月曜の夜は街からOLが消える”という現象も、現代ではありえないこと。
カンチとリカは“浦島太郎状態”となり、時代の波に取り残されてしまったのか? だとすれば、件の新ドラマの行方も心配だが…。
(木村慎吾)