10月1日にスタートした連続テレビ小説「まんぷく」(NHK)。初回の視聴率は関東地区で23.8%、関西地区で20.4%。初回視聴率が23%以上だったのは池脇千鶴が料理人を目指すヒロイン・木葉(このは)を演じた2001年下半期放送「ほんまもん」以来17年ぶりのことだ。
安藤サクラ演じるヒロイン・福子は、第1話から「器量がよくない」と職場で指摘され、それでも「ま、いっか」と明るく聞き流せる精神のタフさを見せている。福子の母・鈴は松坂慶子、福子の長姉・咲は内田有紀、福子の次姉・克子は松下奈緒が演じているため、母娘姉妹が画面に収まると「なぜ福子だけがその器量?」と思わずにいられなくなるのも事実だが、器量格差に目が向かないほど、母や姉からかわいがられているとも言えるだろう。
「第3話では、器量がよくなければ配置してもらえないはずのホテルのフロント係に抜擢された福子が『器量がよくなきゃフロント係にはなれんのじゃろ?』と質問するシーンがあり、福子は器量でなく、英会話力を買われて配置されたことがわかるんです。その時、福子が納得した表情を浮かべるのですが、実に素直で明るくおおらかな人柄が伝わってきました。卑屈さや悲壮感が微塵も感じられない、漫画でいうと頭の中に電球がピカッと点いたような晴れやかな表情に、福子というキャラクターは安藤にしか演じられないと確信しました。ネット上でも『高い声を出して18歳の福子を振り切って演じてるサクラがかわいい』『器量はよくないのに元気をくれる笑顔だよね、福子は』『安藤サクラが演じてるんだもん、ただ明るいだけの福子で終わるわけがないよね』『美人な母と姉に囲まれてるのに負けてないサクラの顔力がすごい』『安藤のベテラン演技は安心して見ていられる』など、おおむね好評です。ただし、DREAMS COME TRUEが歌う主題歌『あなたとトゥラッタッタ♪』とともに流れる、コミカルな動きを見せる安藤のオープニング映像に関しては『OPに違和感』『何これ謎すぎ』『見続けてれば慣れるかな。安藤サクラがすっごくバカみたい』といったツッコミの声が目立つようです」(テレビ誌ライター)
第1子出産直後にこのドラマの出演オファーがあったと言う安藤。義理の母で女優の角替和枝から「これをやらないなら、仕事をやめちゃいなさい」と言われて覚悟を決めて引き受けた仕事だそうだが、「やってよかった」と振り返ることのできる「福子」になるよう期待したい。