圧巻の“うなぎ登り”を見せつけている。
女優の米倉涼子を主演に据えた法廷ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(テレビ朝日系)の第2話が10月18日に放送され平均視聴率18.1%を記録、初回の15.0%から3ポイント以上も上乗せしたことが分かった。
初回視聴率14.2%で「リーガルV」のライバルと目されていた織田裕二&鈴木保奈美の「SUITS/スーツ」(フジテレビ系)が第2話で11.1%と落とした一方、それを嘲笑うかのように小鳥遊翔子は羽ばたいた。人気海外ドラマ「SUITS」を原作とし、すでに世界中で高い評価を得ているコンテンツを売りとした前者に比べ、後者は日本国内で“視聴率女王”として揺るぎない地位にある米倉涼子のキャラクター性を前面に押し出した内容となっており、結果的にお茶の間は後者を選びつつあるのが現状だ。
「『リーガルV』を観ていると、テンポの良い展開と分かりやすいストーリーにも目が行きますが、やはり最も印象的なのは大ヒットドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)での自信と勇敢さに満ち溢れた米倉演じる大門未知子を彷彿とさせる小鳥遊翔子という戦う女としてのキャラクターでしょう。全話平均視聴率で楽々と20%超えを果たした大ヒットシリーズのヒロイン像が、『リーガルV』でも大手法律事務所に立ち向かう弱小事務所の代表として踏襲されており、両作で米倉と共演する勝村政信の存在も相まって、見方によっては『ドクターX』のスピンオフ作品のような空気感すら漂っていますよ」(テレビ誌ライター)
つまり、ドラマで高視聴率を狙うためのメソッドとしては、良質なコンテンツを探すよりも、すでにお茶の間から受け入れられているキャラクターを踏まえたうえで制作した方が吉と出るということか。
「かつてヒットドラマの申し子とも謳われた木村拓哉もパイロットや検事、美容師、さらには総理大臣までも演じ、“何をやってもキムタク”といった変わり映えしないキャラ設定に批判が集まりましたが、一方でとてつもない視聴率を獲得していたことも事実。人気に火がついたのは『ロングバケーション』や『ビューティフルライフ』の頃でしょうが、それ以降に出演したドラマでも一定の“キムタクっぽさ”を残しながら演じ続けてきたことで、固定ファンを逃さず、しばらくは失敗とは無縁の高視聴率な日々を満喫してきました。よって、米倉涼子も『ドクターX』でお馴染みの“私、失敗しないので”との決め台詞に象徴されるような権威や上司に屈しない勝ち気なキャラクターを演じ続けることで、視聴者がスムーズに飲み込みやすい主人公になり続けることができるかもしれませんね」(前出・テレビ誌ライター)
ネット上でも「リーガルV」について、「米倉さん、いつものキャラで良かったです。米倉さんはこれで良いんです」「この人の場合、役を演じるというより米倉涼子がそのまま役になってる感があって観ていて違和感が全くない」「堅物のエリート軍団をギャフンといわせる感じが面白いです」といった好意的な反応が集まっている。
もちろん、“変わらない”ことは常にマンネリの危機を抱え、実際にキムタク主演ドラマのヒット神話も消えつつあるのが現状だが、現時点においては大門未知子と小鳥遊翔子の活躍はお茶の間の支持を得ており、“失敗しない”米倉の今後の奮闘にも大きな期待を抱かせるものとなっている。
まずはこのままの右肩上がりを保ち、視聴率20%超えを待ちたいところだ。
(木村慎吾)