阿部寛主演のドラマ「下町ロケット」(TBS系)の第3話が10月28日に放送され、平均視聴率14.7%を記録。初回、第2回を上回り、番組関係者をホッとさせている。そんな中、佃製作所の経理部長・殿村直弘を演じる落語家・立川談春が、第3話の視聴率アップに大きく貢献しているという声が上がっている。
「談春演じる殿村は、銀行から佃製作所に出向してきた銀行マン。しかし阿部演じる佃たちの“物作りに対する情熱”に心打たれ、佃製作所の経理部長に就任しました。実家は300年続く農家。病に倒れた父の看病と畑仕事のために、週末ごとに新潟まで帰郷するハードな生活を送っています。ところが大事な信用調査に立ち会う日の朝、病の父が再び倒れ緊急手術。信用調査に立ち会えず“万事休す”と思いきや、なんと最後の最後に姿を現して一気に形成を逆転。まさに“残り5分の逆転劇”となりました」(テレビ誌記者)
立川談春といえば、“立川流四天王”の一人。最もチケットの取れない人気落語家の一人と言われ、落語はもとより2008年には「講談社エッセイ賞」を受賞するなど文才にも恵まれている。そんな談春が俳優として注目を浴びたのが、「下町ロケット」と同じ池井戸潤原作で2014年にドラマ化された「ルーズヴェルト・ゲーム」(TBS系)。この時はヒール役だったが、「下町ロケット」では一転、人情味あふれる熱い男を演じている。
「古典落語の大ネタといえば、多くが人情噺。落語の中でも古典落語が得意な談春は落語で様々な人間を演じ、表現力を磨いてきました。10月26日に公開された映画『あいあい傘』では、25年ぶりに娘と再会する父親役を熱演。さらに来年には池井戸潤原作の映画『七つの会議』も公開されるなど、今や俳優としても引っ張りダコです」(スポーツ紙記者)
役者としての才能も開花させた談春だが、そこには亡き師匠・談志の教えがあるという。
「談春はストイックで、これまで落語だけに打ち込んできました。しかし“30周年記念ツアー”で成功を収めた頃から、落語を広めるためにテレビによく出た師匠・談志の志を継いで、俳優としてドラマや映画にも出演しています。時を同じくして兄弟弟子の立川志らくも、生番組『ひるおび!』(TBS系)などでコメンテイターとしても活躍。仲が悪いと言われる二人ですが、師匠の志はしっかり受け継いでいるようですね」(前出・スポーツ紙記者)
遅咲きの俳優・立川談春。落語で鍛えた演技力は、まだまだこんなものではない!?
(窪田史朗)