ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長が、所属タレントを「YOU」と呼ぶことは広く知られている。これは、ジャニーズJr.まで含めると300人もいるタレントの名前を間違わないよう、あえてひとくくりにしているのだそうだ。当然、CDデビューを終えているグループのメンバーの名前は覚えているはず。だが、意外とそうでもないのだという。
「TOKIOの松岡昌宏はつい最近、驚きの事実を口にしています。ほんの4、5年前、ジャニーさんから『おい、田中!』と呼ばれたそうです(笑)。我が耳を疑い、すかさず『俺は田中じゃないよ。松岡だよ』と言い返しました。すると、実はわかっていたような口調で、『おー、松岡』と返してきたとか。ジャニーさんのオチャメな一面がうかがいしれますね」(芸能ライター)
松岡といえば、今年入所30周年。ジャニーさんとは、もはや言いたいことを言い合える仲だ。TOKIO結成20周年のとき、冗談まじりで「あなた、すごいよ。あなたの人生で一番すごいことは、俺をジャニーズに入れたことだよ」と、照れ隠しでねぎらった。するとジャニー氏は、「それは違う。お前を入れたのが、俺の最大の汚点だよ」と返す刀で応じ、その後5分ほど口ゲンカになったという。
「ジャニーさんは、いい意味で子ども。所属タレントの大半が未成年男子なので、自身も少年の心を忘れていないのです。V6の井ノ原快彦もずいぶん昔、タレントがたくさんいる場で、ジャニーさんから差し入れを大量にしてもらったとき、ケンカしています。その中に高級焼肉店で知られる叙々苑のサラダがあったそう。イノッチがそれを取ろうとしたら、『それ、SMAPのだ。バカヤロー。おまえ、食べるんじゃねぇ。バカヤロー』と怒られたそうです」(前出・芸能ライター)
2人の信頼関係がすでに築かれていた証か、井ノ原はすぐに言い返した。「言ってくれりゃいいじゃねーかよ。わかんねぇもん。言わねぇからいけねーんだろ」。キレる井ノ原に観念したのか、ジャニーさんは小声で「うっせぇ、バカヤロー」とモゾモゾ言いながら、その場を離れたという。
最近のジャニーズJr.たちは口をそろえて、「ジャニーさんは優しい」と言う。87歳ともなると、さすがにタレント相手に本気で怒ることはない。血気盛んだったころを知るアラフォー&アラフィフのジャニーズタレントにとっては、一抹の寂しさがあるかもしれない。
(北村ともこ)