子どもたちの学習の現場では、保護者の悩みや「うちではこんなふうに工夫しています!」という取り組みを多くお伝えいただきます。子どもが小学生になったとき、ぶち当たる大きな壁の一つは「宿題の習慣化」。よかれと思って声をかけると大ゲンカになるし、やれずに明日を迎えさせるわけにはいかない…。みなさん、さまざまな方法で子どもたちと向き合っているようです。
放課後に友だちと遊ぶ約束をして、「宿題は遊んでからやるから」と出発。そのときの気持ちはもちろん本物なのですが、いざ遊んでヘトヘトで帰ってくると、ご飯は食べたいし食べれば眠くなるし、見たいテレビも始まるしお風呂に入らなければいけないし……なかなか自ら宿題に取りかかる意欲は湧いてきません。結局、「約束したのにやらないじゃない!」とケンカになってしまう。それならば、「すべきことを全てやりきってから、思いっきり遊んできなさい!」と、遊びに行く前に宿題を終えることを一家のルールとしているご家庭が多いようです。
でも、宿題が終わる前に、友だちが迎えにきてしまったりすると大変! 気持ちばかりが焦ってしまい、集中できず終わりがみえず、パニックになって泣き叫ぶことも……。ですから、「宿題が終わった人から公園に集合ね!」などと、宿題を終わらせてから遊ばせる文化を各家庭に浸透させるのもよいかもしれませんね。
また、放っておくのも一つの方法です。「困るのは自分だよ」と責任を持たせ、口を出さない約束をするご家庭もあるようです。宿題をやれずにそのまま学校へ行く子もいますが、そのときは学校で指導を受けることになりますから、その子なりにいろいろと考えるようです。遊びたいからと、学校で宿題を終わらせて帰ってくるようになったという子も。自ら試行錯誤をして自分なりにやり抜く方法をみつける子は、主体的に行動できるようになるでしょう。
もちろん、やれないままで学校に行っては叱られ、それでも改善されず……という場合もありますから、先生とのコミュニケーションを密にしたり、口は出さずとも見守ることが必要かもしれませんね。
一緒に計画を立てるやり方もあります。どの時間を使って宿題をするか、お母さんからの声かけは必要か、子ども自身にルールを決めさせて親はそのサポートをというように、親子が同じ方向に二人三脚で進んでいるというご家庭も。計画を立てるのが好きな子にはぴったりですね。子どもとケンカをせずに、日々を過ごすこともできるでしょう。
宿題をやるのに時間がかかっているのか、そもそも時間をつくることができていないのか、どのくらい大人のサポートが必要なのか……。子どもによって、上手くいく方法は違うようです。他のご家庭の取り組み方も参考にしながら、いくつか試してみるのもよいかもしれませんね。その子が自分の力でやれるようになるために、という視点で実践すると、親も子もストレスを感じ過ぎることなくできそうです。
(Nao Kiyota)