NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」が1月6日からスタート。初回の平均視聴率が15.5%と、前回の大河ドラマ「西郷どん」を0.1%上回ったことが分かった。
「このドラマは、来年の東京オリンピックを前に1912年のストックホルム大会に日本人選手として初めてオリンピックに出場した金栗四三(中村勘九郎)と、東京五輪を東京に招致するために尽力した田畑政治(阿部サダヲ)の2人がリレー式で“知られざる五輪の歴史”を描く物語。近現代を描く大河ドラマは1986年『いのち』以来、33年ぶり。苦戦が伝えられていただけに、まずまずの滑り出しではないでしょうか」(テレビ誌デスク)
そんな中、主人公・金栗をオリンピックに導く“講道館柔道の創始者”であり“日本オリンピックの父”と呼ばれた嘉納治五郎役を演じる役所広司に思わぬ注目が集まった。
「オリンピック初出場の夢に向けて情熱を傾ける役所演じる嘉納の姿を観て、2017年に放送された大ヒットドラマ『陸王』(TBS系)を思い出す視聴者も多かったようです」(女性誌ライター)
「陸王」で役所が演じたのが、100年以上続く老舗足袋業者「こはぜ屋」の四代目社長。乏しい資金、人材、開発力、さらに世界的なスポーツブランドとの競争に何度も挫けそうになりながらランニングシューズ開発に打ち込む熱い姿は、オリンピック出場の夢に賭ける嘉納治五郎と重なる。「いだてん」を観終わった視聴者からは、「足袋、マラソン、役所広司。もうすべてが陸王にしか見えない(笑)」「役所広司が『走れー!陸王~!』とか叫び出しそう」「とりあえず治五郎さん。金栗くんにこはぜ屋の陸王をお渡ししてほしい」といった声がネットでも躍った。ところが「いだてん」では、この件に関してさらなるサプライズが用意されていると、前出のテレビ誌デスクは語る。
「実は、金栗(中村)がマラソン用の足袋を二人三脚で開発する『足袋のハリマヤ』の店主・黒坂辛作役を、俳優・ピエール瀧が演じることが明らかになっています。ピエールはドラマ『陸王』で、役所演じる老舗足袋業者に立ちはだかる世界的なスポーツ用具メーカーの日本支社・営業部長役を演じています。今度は一転、足袋屋の店主を演じるわけですから『陸王』ファンにとってはたまりませんね」
明治以降の近現代を描いた大河ドラマはヒットしないと言われてきたが、今回の「いだてん」は、一味違うかも知れない。
(窪田史朗)