昨年も多くのヒットソングを生み出したジャニーズアイドルたち。彼らに、名の知れたアーティストやサウンドクリエイターが楽曲を提供することも珍しくなくなった。また、発表からかなりの時間が経ったのち、提供したクリエイターが売れっ子になることもある。昨年、7人組グループのKis-My-Ft2は、そんな経験をした。
「2017年の夏、世界累計発行部数3500万部を超える大人気コミック『東京喰種 トーキョーグール』が、初実写化されました。監督は、初の長編実写となった萩原健太郎氏。彼はキスマイが13年に発売した初のオリジナルショートムービー『YOSHIO -NEW MEMBER-』を撮った人なんです。『YOSHIO』は、キスマイにとって初のシングル、アルバム、DVDの3作同時リリースでした」(エンタメ誌編集者)
荻原監督は、人気お笑いコンビ・三四郎(小宮浩信&相田周二)と同じ成城学園高校出身で、同じグランドホッケー部だった。ところが「世界で通じる映像を作る」という夢をかなえるため、中退して単身渡米。およそ7年間の米国滞在で、名門・Art Center College of Designを卒業している。国民的人気CMとなったソフトバンクの白戸家を手掛け、CMディレクター、ミュージックビデオ、ショートフィルムの監督ほか、多くの肩書きを持つ。
驚くことに「東京喰種」の監督に大抜てきされた背景には、キスマイが関わっているという。
「キスマイに、謎だらけの新メンバーが加入するかもしれないというホラー感があった『YOSHIO』。この作品を見た制作会社の社長兼プロデューサーが、『東京喰種』は荻原さんでと、推薦したんです。この2作が同じ制作会社だったという縁もありますが、『YOSHIO』で描き出した独創的な世界観が認められたんです」(前出・エンタメ誌編集者)
キスマイが愛読している「東京喰種」の初実写監督が、自身を撮った荻原さんだったことを知ったのは、冠レギュラー番組「キスマイ超BUSAIKU!?」(フジテレビ系)の本番中だった。監督に負けないようなワールドワイドな活躍をKis-My-Ft2にも期待したい。
(北村ともこ)