広告収入の上で成り立つテレビという在り方を完全に無視するかのようなリポーターの“うっかり発言”も大きな話題をさらった。
それは1997年8月に放送されたオトナの情報番組「トゥナイト2」(テレビ朝日系)にてレポーターの乱一世の口から出た言葉で、こちらは世間の視聴者様ではなく、スポンサー様を大激怒させる類の発言である。乱レポーターはCM入り直前のコーナー紹介場面で、“2分間のCMの内にトイレに行かれる方はトイレへ行った方が良いですよ!”との大げさな煽り文句を視聴者に向けて浴びせ、番組に出資するスポンサーの存在を否定するかのような失言を言い放ったのだ。
この乱レポーターによる生放送での驚きの発言は当然ながら編集も加工もされないまま発信されてしまい、スポンサーのひんしゅくをかったことはもちろん、およそ2年以上に及ぶ謹慎という重い処分が科される結果となった。
一般の視聴者の気持ちや立場を代弁した発言ではあったが、やはりレポーターやナレーションとして番組の制作側に回った人間が言うべきセリフではなかったということだろう。
一瞬の過ちでそれまでの信頼や実績を全て吹き飛ばす危険性すら秘める「失言」。芸能人や著名人に限らず、全ての人間が慎重に言葉を選んだ上で日々を過ごす必要がある。さもなくば、あなたの想像を超えるほどの恐ろしきバッシングと非難が待ち受けているかもしれない。
(木村慎吾)