フィギュアスケートの羽生結弦選手を指導するブライアン・オーサーコーチが、選手強化などに貢献した指導者を顕彰する「ミズノスポーツメントール賞ゴールド」を授与した。
「この賞とは、ミズノスポーツ振興財団が日本体育協会、日本オリンピック委員会と共催で、1990年度から制定しているもので、今回が29回目になります。日本の競技スポーツなどにおいて選手の強化や育成、地域スポーツの普及・振興に貢献した人の顕彰と優秀な指導者の育成を目指して創設されました。これまでミズノスポーツメントール賞ゴールドは、陸上の宗茂(第2回)、柔道の山下泰裕(第7回)斎藤仁(第10回)井上康生(第27回)、ソフトボールの宇津木妙子(第13回)、スキージャンプの笠谷昌生(第8回)、サッカーの佐々木則夫(第26回)など、幅広いジャンルのそうそうたる顔ぶれに与えられています」(スポーツライター)
賞の目的や、日本オリンピック委員会が共催することもあり、五輪でメダリストを生み出した指導者から選出されることが多いこの賞だが、実は今回の受賞は実に異例な選出だという。
「過去には、高橋大輔選手のフィギュアスケート男子シングルのバンクーバー五輪での日本初メダルの功労を表した、長光歌子も受賞しています(第21回)。今回のオーサーコーチの受賞が羽生選手の五輪2連覇の功労を表彰するものだとしても、これまでのゴールド賞の受賞者が、すべて日本人なのに対し、外国人ではオーサーコーチが初めてなんです。羽生選手の五輪2連覇、しかもケガを克服して達成した偉業に相応しいと言えるかもしれませんが、とかく前例にならって日本人限定になりがちな中、画期的な選出ではないでしょうか」(前出・スポーツライター)
今や選手の活躍もグローバルになり、トレーニングの場所やコーチの国籍もますます国際的になっている。賞のあり方が変化してゆくのも、当然の流れなのかもしれない。
(芝公子)