カフェインが入っているので飲むのを控えていたり、もともと好きではなかったりするのに、「コーヒーどうぞ」と勧められる──あなたはこんな経験をしたことはないでしょうか。実はこれ、巷では“コーヒーハラスメント”と呼ばれているのです。
SNS上でも、「外回りでお得意様のところへ行っていた頃は まさにコーヒーハラスメントでした」「酒を飲ませられる勢いでコーヒーハラスメントが起きている。お腹ちゃぽんちゃんぽん」などの投稿がみられ、日常的に行われていることが分かります。
また、女性ユーザーからは「まさにハラスメント。コーヒー派ではなく紅茶派という人も意外と多い」「コーヒーハラスメントは言い過ぎだと思うけど、善意で出すにしても片付けの手間を考えると飲み切ってくれたほうが断然楽だから、選択させて欲しい」などの声が上がっています。
もし、コーヒーを勧めることがハラスメントになるのであれば、代わりのドリンクは何になるのでしょうか? そもそも、コーヒーは眠気覚ましや集中力アップのためという名目で、仕事のときのドリンクによく使われますが、実は「仕事に役立つのはコーヒーだけ」というのは思い込みのようなんです。
例えば紅茶。精神科医で産業医の古賀良彦さんは、「生産性に寄与する可能性が最も高い飲料は、コーヒーよりもむしろ紅茶である」と研究の結果から話します。なんでも、オフィスの常用飲料であるコーヒー、紅茶、エナジードリンク、水を飲用したところ、脳血流量が最も増えたのが紅茶飲用時だったとか。前頭葉部分の血流量が高い=集中力が高い、ワーキングメモリーが活発に利用できていると、捉えられるのだそうですよ。
さらに、紅茶は自律神経による活気・活力を向上させ、不安・緊張の状態を緩和させる効果が顕著だったというのです。今後、この紅茶の研究結果のように、「コーヒーだけが仕事のお供ではない」根拠が増えていけば、コーヒーを当たり前のように出されて“うんざり”する機会は減るのかもしれませんね。