交換殺人をテーマにしたサスペンスドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)がいよいよ安定の低空飛行に入った模様だ。5月26日放送の第7話は視聴率6.4%となり、全7話中の5回で視聴率が6.3~6.5%というごく狭いレンジに収まる結果となった。
「伏線があまりにも多すぎるうえ、物語中で提示された謎が何一つとして解けていないことで、すでに多くの視聴者が脱落。ただ、番組のキャッチフレーズでもある『毎週、死にます』は維持されており、毎回のように見せ場があるためか、低調なりに安定期に入ったようです。もっとも視聴率6%台のままで2クール目に突入するようであれば、スポンサー企業の説得に苦労しそうですが…」(テレビ誌ライター)
そんな低視聴率続きの作品ながら、出演者のほうにはどうやら本作についてさほどの文句はなさそうだというのである。テレビ誌ライターが続ける。
「破綻しそうなストーリーに反して、各出演者の演技は実に真に迫っており、そこが見どころになっています。第7話で中心的な役割を果たした袴田吉彦は、交換殺人を実行するように警告されて苦悩する様を熱演。家庭の主婦を演じる三倉佳奈はイライラを募らせて地団駄を踏む場面が秀逸でした。主演の田中圭に『捨てられた!』と鬼気迫る表情で問い詰める奈緒には、こんなに美人で演技力のある若手女優がいたのかと視聴者もびっくり。そして極めつけはチンピラ役の浮田啓輔。娘同然に育てていた妹尾あいりから『パパ』と呼ばれるシーンでは、まさかの“全米が泣いた”級の感動を呼び起こしたのです」
その他のキャストにも演技巧者がそろっており、テレビ業界関係者は今後のキャスティングで本作を大いに参考にしているはず。どうやら「あなたの番です」は出演者にとって、自分の演技力を観てもらう格好のショーケースになっているようだ。
(白根麻子)