話のおもしろい人と、そうでない人。職場で、友だちとの会食で、気になる人とのデートで相手と話す際、どうせなら前者になりたいですよね。相手を目の前にしてしまうと何を話したらいいか分からなくなる…という人は、明石家さんまさんの話し方を学ぶといいそうです。
■ポイントは「相手の話を引き出す」こと
放送作家で戦略的PRコンサルタントの野呂エイシロウさんは、著書『「話のおもしろい人」の法則』のなかで、「さんまさんは、実は自分の話をガンガンするタイプではありません」と述べています。また、数々のテレビ番組を分析し、次の3ステップで相手の話を引き出しているといいます。
【ステップ1】
相手の見かけや着ているものなど、ちょっとした話題で「どうなん?」とアバウトに振って相手の話を引き出す。
【ステップ2】
その内容を肯定しながらオーバー目のリアクションをとって大笑いし、相手を気持ちよくさせる。
【ステップ3】
気持ちよくなった相手が調子に乗って繰り出した話題から、おもしろそうなネタを見つけてさらに話題を広げていく。
つまり、自分自身の話ばかりをするのではなく、相手の話を引き出してオーバーリアクションやおもしろいコメントを返すことで笑いの波を起こし、相手に「自分の話がウケた」と思わせているのだそうです。
■自分の話をやめると会話が続く
「おもしろい話をしなくちゃ」と意気込むと、どうしても自身の経験からおもしろいネタを探してしまいますよね。しかし、自分の話をしている間、相手は「聞くだけ」です。相手はこちらの話だけに集中しますから、内容がものすごくおもしろくなければ笑えません。相手があまりリアクションを取らない場合、話し終えた途端にシーンと静まりかえってしまうことも…。一方、相手について質問をすると、相手が主体的に話すようになるので「待って(聞いて)いるばかりでつまらない」という気持ちになりにくく、話したことに対しておもしろいリアクションが返ってくれば思わず笑ったりして会話も続くようになりますよね。
どうやら会話の極意は、相手を笑わせるためのネタを絞り出すことではないようです。それよりも相手の話に耳を傾け、どうリアクションをするかに注力することで、相手の満足感と話のおもしろさを同時に実現することなんですね。相手の話にフォーカスを当て、「あの人とならいつまでも話したい!」と思われる、楽しい時間を実現してはいかがでしょうか。
(Nao Kiyota)