テレビ朝日が10月の改編で人気アニメ「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」の放送枠を現在の金曜夜から土曜夕方に移動させることを発表し、大きな反響を集めている。
テレビ朝日を象徴する2大看板アニメの放送曜日引越しを発表すると、同じく深夜の人気コンテンツである「マツコ&有吉 かりそめ天国」を金曜8時台の放送に変更することも報告し、週末の編成を大胆に組み替える大きな改革に臨んだ格好となった。
「『マツコ&有吉 かりそめ天国』が金曜8時に移り、元々その時間帯に放送されていた『ミュージックステーション』は1時間遅れて夜9時からのスタートになるようです。しかし、金曜夜9時といえば日本テレビが誇る最強の人気番組『金曜ロードSHOW!』と被るタイミングで、同番組は先日も『千と千尋の神隠し』が9回目の放送ながら17.9%という高視聴率を記録したばかり。『Mステ』もまたテレ朝の目玉コンテンツなだけに、直接対決で惨敗となれば赤っ恥をかかされてしまうかもしれませんね」(テレビ誌ライター)
今回発表された改編をめぐる懸念点はそれだけではない。「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」の土曜夕方への移動により、主要ターゲットによる視聴を失う可能性も考えられるのだ。
「幼少期の子供や小学生は家族の外出が多くなる土曜夕方の放送では、テレビの前にスタンバイすることが困難となる可能性が高い。また、金曜夜の放送に慣れ親しんだ層からは『今の曜日と時間で定着してたのに変えないでほしい』『土曜のその時間は多くの世帯でリアルタイム視聴は厳しいのでは?』『土曜の5時はお出かけや習い事で見れない人多い』との悲鳴が聞こえています。さらに、深夜の時間帯だからこそ歯に衣着せぬ物言いをウリにできていた『マツコ&有吉』を金曜ゴールデンの時間帯に移動させることについても『深夜枠を20時に持ってきちゃダメだって過去を振り返ると分かるでしょ』『深夜番組がゴールデンに行ってもあまり成功したことはない』『かりそめは深夜だから良いのに』とのつれない反応が多くを占めていますよ」(前出・テレビ誌ライター)
ドラスティックな改革に賛否は付きものだが、果たして今回の大幅な番組改編は数字上の好結果に繋がるだろうか。秋以降のテレ朝に注目だ。
(木村慎吾)