夫婦で子宝に恵まれたことを大喜びしたのはいいけれど、これから2人でうまく役割分担をして子育てをやっていけるだろうか……。このような不安はありませんか。
妊娠前に子育ての方針やお互いの役割分担について話したことがほとんどないという場合は、生まれたら始まる「育児」がイメージできず、不安になることもあるでしょう。家庭の方針を考えるのは、いつからでも早いということはありません。生まれる前から決めておけることだってあるのです。
■出産前にできること
子どもの性格や発達段階も知らぬまま、しつけの方法や声かけの仕方を決めることは難しいもの。確固たるルールを決めてしまうよりも、子どもに合わせて柔軟に調節した方がよいものは、焦って話し合わなくてOKです。それよりも、「家族として、どんなことを大切に過ごしていきたいか」といった大きなテーマで、意見の出し合いをしておきましょう。冷静にお互いの意見を尊重できる時期に、お互いの考え方を知っておくと、子どもに合わせての調節もしやすくなりますよ。
■子どもが生まれてから行うこと
実際に子どもが生まれて目の前で大きく成長していけば、「こんな力を伸ばしたい」「うちの子はこんなことが得意なんだ」「うちではなかなかやらせてあげられない、あんな経験をさせてあげたい」などの希望が出てくることでしょう。時には伸び悩みの壁にぶつかり、どんなことをさせればできるようになるのかと悩むことも。その度に夫婦で想いを共有し合い、“今の我が子が前向きに取り組めるよりよい方法”を選んでいきたいですね。実際に子育てをスタートしたら定期的に夫婦会議を開き、気付いたことを共有しながら考えましょう。
■子どもの成長に合わせて「更新」すること
いったん決めた家庭のルールはブラさずに掲げ続け、当たり前のように守り続けることが大切ですよね。それと同じくらい、“今”の我が子にあったルールに変更していくことも重要です。とはいえ、ルールを守れなくても例外として許したり、自然と別のルールが定着したりするのでは、ルールを守る意識が薄れてしまいます。ですから、大切なルールはブラさずに守り続け、変更する際は厳かに発表し、全員で心を切り替えることが大切です。
子育てに正解はありません。よりよい方法が実践前から分かることなど、ほとんどありません。取り組んでみて、反応や結果を感じて、必要があれば変えていく。そうやって家族全体がよりよい方向に進み続けることができると、全員が前向きに成長できます。まずは、家族として大切にしたい柱について考えることから、スタートしてくださいね。
(Nao Kiyota)