フィギュアスケートの高橋大輔選手が2020年1月からのアイスダンスへの転向を発表した。
アイスダンスは「氷上の社交ダンス」と言われるように、男女がペアで滑って踊る競技。ジャンプや派手なリフトなどをイメージするかもしれないが、そちらペア。アイスダンスではジャンプは禁止され、リフトも男性の肩より上にあげてはいけないというルールがある。シングルではなかった、2人の協調性のある演技が見どころで、競技もショートとフリーがあるのはシングルと同じだが、ショートでは音楽が違っても全ペアが同じステップを同じテンポで滑って競うパーツもある。つまり、技の難易度の部分でも差がつけられるシングルとは異なり、ジャンプなどもない分、少しでも正確に滑り、加点をどれくらいつけられるかが勝敗に大きく影響するのだ。
そして、ジャンプがなく細やかな表現が求められるために、シングルとはもうひとつ大きな違いがあるという。
「シングルとは靴の作りが全く違うんです。シングルではジャンプの踏切に使うつま先のギザギザが大きいのに対してアイスダンスでは小さい。さらに、パートナーとの同調性や細かなエッジワークなどを表現するためには、シングルより細かい動きのできるように、かかとの部分に切れ込みが入っていて、足首が動かしやすくなっているんです。シングルの靴は足首をしっかりホールドする形なので、靴が柔らかくて足が動く感触は、違和感があるはずです。この靴の違いに慣れるだけでも大変でしょう」(スポーツライター)
今度はアイスダンスで私たちに新しい世界を見せてくれる高橋選手。コンビを組む村元哉中選手とともに、大いに期待したい。
(芝公子)