またも吉本興業が“カネの問題”で揺れている。お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実が10月23日、東京国税局から7年間にわたる申告漏れを指摘され、その金額は合計でおよそ1億2000万円にも上るというのだ。
徳井はすでに修正申告を済ませ、約3700万円の追徴税を支払い、同日中に大阪の吉本興業本社で謝罪会見を実施。「国民に迷惑と不快感を与えて申し訳ないです」と話し、1億円以上の申告漏れについては自身の「想像を絶するだらしなさ」が原因だったと振り返っている。
「この申告漏れの騒動に関して、『デイリー』は24日付けで『申告漏れチュート徳井 業界“タブー”の個人事務所 吉本のイメージまた失墜か』と題した記事を配信し、その中で“デイリースポーツ・東京報道部芸能社会担当”なる名義で『過去には某大物芸人が記者会見の場で、自然な感じで“みんな事務所は作ってますよ”と話したが、会見終了後に主催者から“事務所の話は書かないで下さい”とストップをかけられたことがある』と紹介し、続けて『節税対策で法的に問題ないのであれば、特に隠す必要もないはず』と吉本の対応への疑問をあらわにしています。もちろん節税を目的に小さな個人事務所を設立することはなんら法的に違反な行為ではないですし、芸能界だけでなく、個人事業主の間でも一般的な節税対策として知られています。それをわざわざ“書かないで下さい”と念を押したのは、やはり吉本も会社としてなんらかの不都合な事実があったことを承知していたとも解釈できます」(テレビ誌ライター)
とりわけお笑い芸人という職業は“ヒトを笑わせる”ことに特化した特殊な生業であり、日夜そのことだけに専念してきた人間がほとんどだ。税金のシステムや節税には疎い傾向があり、ある程度高額な収入を得られた場合には個人で税理士を雇うことで“丸投げ”の芸人が多いだろう。
「もちろん徳井のように3年間も収入を全く申告しないというのは異常事態とも思えますが、彼の他にも今ビクビクと冷や汗を流している芸人はいるかもしれません。吉本はここ数年でコンプライアンスの意識を高め、専門家を本社へ招き講義も開いていますが、声高に叫んでいるテーマは“違法な薬物を使うな!”や“危ない夜遊びをするな”の2点が主軸で、税金についてはあまり力を入れていなかったのが現状です。闇営業騒動の際にも反社会的勢力から金銭を授受したという事実以外にも、その受け取ったお金はしっかりと収入として申告したのか、という点も大きな注目を集めました。今後は会社総出で然るべき税金への対策や知識を所属芸人に説く必要があるでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
“ヒトを笑わせる”という使命の他に、まずは国民の3大義務のひとつを全うすべきということだろう。
(木村慎吾)