吉本興業所属のお笑いコンビ・ミキが京都市から依頼を受ける格好で投稿した京都国際映画祭PRの宣伝ツイートが物議を醸している。
京都市は同映画祭の認知を高める為、地元出身の人気コンビであるミキへ京都市の施策発信ツイートを依頼し、2度のツイートで100万円を支払う契約を締結。ここまでは一般的なスポンサーとタレントの関係性といえるが、実際に2018年10月にミキがツイートした投稿には京都市による“PR”であることを説明する記載はなく、ミキの個人的な京都への愛情を示すツイートとして世間に広まってしまう格好となったのだ。
ツイートには“京都市盛り上げ隊”などのハッシュタグは添えられていたものの、京都出身のミキによる投稿だった為、これを広告と思わずに閲覧したファンが大半だっただろう。
「そもそも京都市の映画祭を広めたいという思惑は、厳密に言えば、“京都市以外の人間”にも知って欲しいという狙いがある為、わざわざ京都出身のお笑いコンビを選ぶ絶対的な必要性は無いかと思いますが、それでもミキを選んだ理由は一連の“京都称賛”ツイートがミキの個人的な見解によるものだと感じてもらう為なのかもしれません。また、“PR”の文字が添付されていない点は確かに問題視されるべきですが、インスタグラムなどではモデルや女優を始め、“インスタグラマー”と呼ばれるインフルエンサーが毎日のように『オススメのシャンプー』や『この美容液最高!』などと新商品を紹介し、プロモーション活動を行っています。そしてそれらの全てに“PR”の記載が施されている訳でもなく、今回の騒動で慌てて“PR”の文字を付け足している者もいるかもしれません。古くを遡れば、テレビ番組や生放送中でも自身のオススメ商品を不自然にアピールするタレントもおり、その裏で実はメーカーから“謝礼”を受け取っていたというケースもあったとされています。もちろん彼らはその際に『これは企業から依頼を受けたPRです』とは言いません。ただし、金銭を受け取らず、単に個人的見解として商品を讃えているケースも当然存在するため、もはや何がPRで、どこまでがPRなのかの見極めは困難です。境界線が曖昧になることで、ルールもまた曖昧になってしまうのでしょう」(テレビ誌ライター)
今回のミキのケースは吉本興業と京都市の指示に従って遂行した業務の一環としてのツイートであり、2人を咎める声は少なく、やはり批判の目は管理体制が甘かったと言わざるを得ない吉本へと向けられている。
ゴタゴタの続く吉本興業だが、まずはしっかりとタレントを守るための対応を行ってもらいたいところだ。
(木村慎吾)