札束と笑顔が飛び交った前澤友作氏のツイートとは対照的に、疑惑と波紋を急速に集めたのが、女優・沢尻エリカの薬物逮捕を巡るタレント・ラサール石井のツイートと、それを肯定して火に油を注いだ鳩山由紀夫元首相の問題発言である。
11月、沢尻が法律違反の薬物所有で逮捕されたとの一報が日本国中を騒然とさせる中、ラサールはツイッター上で「まただよ。政府が問題を起こし、マスコミがネタにし始めると芸能人が逮捕される。これもう冗談じゃなく、次期逮捕者リストがあって、誰かがゴーサイン出してるでしょ」と投稿し、安倍晋三首相による「桜を見る会」私物化騒動から世間の関心をそらす為の国策逮捕ではないか、という“トンデモ説”を提唱したのだ。
また、2009年からのおよそ1年間、第93代内閣総理大臣として日本のトップに座っていた鳩山氏も、このラサールのツイートを引用し、沢尻の逮捕について「みなさんが指摘するように、政府がスキャンダルを起こしたとき、それ以上に国民が関心を示すスキャンダルで政府のスキャンダルを覆い隠すのが目的である」と“解説”。ひとりのタレントが提唱したまるで都市伝説のようなツイートを、元首相経験者が後押しした格好となり、3万のリツイートに加え、最終的に9万近い“いいね”を集める結果となった。
「大きすぎる反響があったからか、鳩山氏は12月12日にもツイッターで『沢尻エリカさんが薬物に手を染めていたことを弁護するつもりはない。ただ、現行犯でもなく、尿検査も陰性で、家宅捜索で0.09gのMDMA、元彼が所持で逮捕という理由で逮捕される事例は今までにあったのだろうか。タイミングを図って逮捕したとしか思えない。桜を見る会の不祥事は深刻である証拠である』と投稿し、引き続き“政府の陰謀論”を唱えています。また、同氏は2月に北海道の厚真町で起きた地震についても、苫小牧で行われた炭酸ガスの地中貯留実験CCSによるものと推察し、『本来地震に殆ど見舞われなかった地域だけに、CCSによる人災と呼ばざるを得ない』と投稿。こちらも1万を超えるリツイートがなされ、大変な批判を集めました。さすがにバラエティ番組の“都市伝説テラー”でも、地震を人災と推測するのは気が引けるでしょうが、鳩山氏は半ば怖いもの知らずの状態が続いており、政治家としては国内4位の83万人ものフォロワー数を誇っています」(テレビ誌ライター)
もっとも、フォロワー数は必ずしも賛同者の数というワケではない。ある意味で、多くのフォロワーから注視されている状態とも言えるのかもしれない。
(木村慎吾)