ライフスタイルが多様化し、共働き世帯や一人暮らし世帯も増えた現代では、「年末の大掃除」を行っている家庭はどのくらいあるのでしょうか。また、大掃除は本当に「年末」にする必要があるのでしょうか?
アイロボットジャパン合同会社が2019年11月、全国の20~50代の既婚有職男女800名を対象に行った「年末の大掃除に関する意識調査」の結果から、考えてみましょう。
「年末に家族で大掃除をしますか」という質問への回答は、「家族で大掃除をする」(50.3%)と「家族ではやらないが自身で行う」(28.7%)で8割弱を占めたそう。家族で協力して、イベントごとのように行っているのは半数程度にとどまりましたが、多くの人が大掃除を年末に行っていることが判明しました。
「年末に大掃除をしない理由」を訪ねた結果は、「日常、定期的に掃除をしているので大掃除はしていない」(42.9%)、「年末は忙しいので別の時期に掃除をする」(48.8%)が9割を占めたとのこと。少数派ですが「大掃除は業者に頼むので自分ではやらない」(4.8%)との意見も挙がったようです。
調査結果からは、働き方が多様化している現代では、年末にまとまった時間を捻出できないケースもあり、別のタイミングに大掃除をしている家庭も増えているようです。なかなか大掃除の時間を捻出できない場合は、「業者に頼む」という選択肢もあるとは驚きですね。
花王の包装技術研究所の澤井さんは「年末年始は学校・仕事も休みとなり、家族がリビング・ダイニングでくつろぐ機会が増えるとき。年末の大掃除では、床の拭き掃除を組み込んで、ホコリによるザラザラや食べこぼし、油汚れのベタベタをしっかり取り除き、家の中を衛生的な環境に保つことが大切です」といいます。
また、花王が2014年に実施した調査の結果では、ホコリ1g中に約10万個の菌・約6万個のカビが存在していることが判明し、家の場所別にみると、「ホコリ1gあたりに存在する菌・カビ数は、高い場所(棚上・照明カサ)より低い場所(床)のほうが多い」「床の上にあるホコリの菌数はトイレよりもリビングのほうが多い」ということが分かったとか。
埃っぽさやカビの多さは体調不良につながることもありますから、日々の掃除や大掃除でしっかり取り除くことが大切ですね。年末に溜まった汚れを取り除くことで、気持ちよく新年を迎えることができるだけでなく、健康状態を整えるスタートにもなりそうです。
「せっかく大掃除をするのなら楽しく!」と家族に呼びかけ、それぞれの家に皆が集まって協力し合うのもいいですね。ライフスタイルが多様化しても、健康管理の基礎となる環境整備は欠かせませんから、大掃除の計画を今から立てて実行してはいかがでしょうか。
(Nao Kiyota)