漫才の日本一を決する「M-1グランプリ2019」決勝が12月22日にテレビ朝日系列で放送され、参加が危ぶまれていた上沼恵美子も審査員としての役割を果たしている。
5000組以上の漫才師が頂点を競い合う同大会において、昨今盛り上がりを見せるのはなんといってもベテランの各審査員による個性に溢れた辛口なジャッジであり、その筆頭として毎度のように物議を醸す存在こそ“関西の女帝”上沼恵美子だ。
2018年度のM-1終了後、お笑いコンビ・とろサーモンの久保田かずのぶとスーパーマラドーナの武智から、インスタグラムでの配信を介して“更年期障害”や“オバハン”などと暴言を吐かれていた事情もあり、今大会の審査員出演を不安視されていたものの、蓋を開けてみれば、“指定席”ともいうべき画面向かって右端の審査員席にドンと構え、的確な解析で大会を盛り上げた。
「序盤の審査員紹介の際には、『更年期障害を乗り越えましたよ』と皮肉たっぷりに切り出し、会場を沸かせると、自身のCDを宣伝するという暴挙にも出ていました。あのような緊迫したステージで『Amazonではずっと一位です』などと、大会とは無関係な個人的告知をする度胸はもはや流石の一言ですが、このやりたい放題な振る舞いにはSNSでも『CDの宣伝なんかするなよ』『自由すぎる』『こういうところが嫌だ』と苦言が連発。とは言え、この大会を主催する吉本興業からすれば、昨年末の久保田らの不祥事を謝罪し、“懇願”した上でなんとか出演してもらっている立場であり、上沼にとっては、“これくらいはさせなさいよ”といった心境なのかもしれません。あの騒動を境にして半ば上沼はM-1に出演して“あげている”状態となり、しかもそれが松本人志たっての願いだったことから、タダでは起き上がらないタフな根性を見せつけていたと言えるでしょう」(テレビ誌ライター)
また、新進気鋭のコンビ・からし蓮根への批評の最中には、突如として敗者復活戦で勝ち上がった和牛の“慢心”を指摘し、MCの今田耕司からも「(突然)どうされたんですか?」と突っ込まれていた上沼。
観客や出場芸人に対して、良くも悪くも一切媚びないその貫いた姿勢こそ、M-1グランプリには最も必要不可欠な要素とも言えるかもしれない。
(木村慎吾)