活動休止の来年大みそかまで東奔西走の嵐。トップアイドルながらも、いまだにハードなロケをいとわない。相葉雅紀と大野智は、開始12年目に突入した「VS嵐」(フジテレビ系)で、熱湯が入ったジョッキを持って崖からスウィング落下するロケに挑戦。お笑い芸人さながらのハングリー精神は、依然としてキープされている。
嵐のバラエティ対応力が高いのは、ジャニーズJr.時代からあらゆる現場に身を投じてきたからだ。冠番組を持てるようになってからは、現場徹底主義をいっそう強化した。メンバー5人とも過酷な撮影に挑んでいるが、なかで最もハードなロケに挑み、「ロケの特攻隊長」となったのは相葉だ。
「デビュー2年後の01年、『真夜中の嵐』(日本テレビ系)という冠番組が始まりました。グループとしては低迷期。1年と持たず、38回のオンエアで打ち切られてしまいました。メンバーは毎週が背水の陣。そんなとき、相葉が挑戦させられた企画に、巨大凧で空を舞うというものがありました。撮影は無事に終わったんですが、実は着陸のシミュレーション忘れてしまい、現場がヒヤリとしたそうです」
相葉がチャレンジしたのは、「驚きの嵐!世紀の実験 学者も予測不可能SP」と銘打たれた実験企画。人は凧で空を飛べるのかという単純明快な疑問を解くために、60畳の巨大凧が制作された。「嵐」と大きく書かれた真ん中に1人分のスペースがくり抜かれ、相葉はこの中に入った。等間隔に竹や糸が張り巡らされ、頑丈に身体をくくりつけられた。
「地元の凧あげ名人100人が集まって、巨大クレーン車の力も借りて、空を飛ぶことはできました。上空50m。相葉の命綱は万全を期していたのですが、着陸のシミュレーションができていなかった。それでも緩やかに落下したので、笑顔で着陸して大成功となったのですが、今年に入って背筋がゾーッとすることを聞かされましたそうです。当時の現場スタッフに大野智が会ったそうですが、『あのときはクビ覚悟でやった』と告白したというんです」(前出・取材ライター)
グループ活動を続行するうえで、それぞれのキャラクターや役割分担はあってしかるべき。だが、当時の相葉はとにかく体を張った。スタッフも冗談半分マジ半分で、「死なないでねー」と言って現場に送りだしたほど、限界ギリギリの実験企画は罰ゲームさながらだった。
20年経った今も、相葉はその座をキープ。自ら辞めなければ、恐怖度MAXのムチャぶり挑戦は続きそうだ。相葉雅紀、いったいどうする?
(北村ともこ)