子どもの頭をよくしたければ、スポーツを得意にさせるべき!? 実は、スポーツと頭のよさには密接な関係性があるようです。
大阪教育大学教育学部准教授の宍戸隆之さんによると、小学校4年生を対象とした実験で、マラソンやなわとびなどの運動をした後に算数のテストを実施し、その成績を毎日記録した結果、運動しなかった場合と比べると、運動した方が計算スピードと正答率が上がったそうです。
また、運動中に心拍数が高い児童、つまり、よく体を動かした児童の成績がよりよくなる傾向もみられたとか。運動は体力だけでなく学力も向上させる可能性があり、そのメカニズムについては、今後さらなる実験による解明が期待されているそうです。
宍戸さんによると、うまくなるため、試合に勝つためには、技術や戦術を頭で理解して実践することが不可欠なため、プロスポーツの世界で活躍する人は、頭を使って理論的に体を動かしているといいます。
一方で、激しい運動中の脳の認知機能は低下することが明らかになっているそう。ある高校でランニングマシンでの運動中に簡単な認知テストを実施したところ、安静時よりも結果が悪くなり、運動中の脳の実行機能が低下することが示されたといいます。つまり、難しい戦術などの習得には、練習中以外の予習・復習が効果的な可能性があり、上手に頭を使って運動を楽しむことが頭のよさにつながるそうです。
適度なスポーツは心身の健康の土台となり、脳にも血液をスムーズに送ることができるため、発想力を鍛えるのにも役立ちそうです。苦しいトレーニングで体を酷使するのではなく、スポーツを通して状況を判断したり、戦術を考えたりする“脳トレ”の時間を多く設けることで、考える力がぐんぐん伸びていくのでしょう。
「運動なんかより、勉強を!」と、子どもに勉強だけを強いるよりも、スポーツも取り入れて心身を健康な状態に保って地頭力を鍛える方が、その子が持ちうる頭のよさを最大限に引き出すことができそうですね。
(Nao Kiyota)