2月9日に放送されたドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(日本テレビ系)の第5話にて、いきなりの急展開に視聴者が戸惑っているという。
本作は横浜流星の演じる“飼育員さん”が、清野菜名が演じる“ミスパンダ”とともに、グレーな事件に白黒つけていく様子を楽しむ爽快活劇。第5話では“偽ミスパンダ”が護送中の死刑囚を強奪し、終盤でその死刑囚を殺害する場面が映し出された。さらにラストシーンでは、清野を担当していた精神科医が自宅で殺害され、一話で二人の犠牲者が発生したのである。
「その精神科医は、清野と双子の妹が放火事件に巻き込まれた際、生き残った清野と亡くなった妹の記憶をすり替えた張本人。それがいきなり殺害されるとは視聴者にとって想定外だったことでしょう。その一方で、これまでミスパンダが解決してきた事件ではコミカルな演出が目立っていましたが、今回はわりとシリアスめの展開に。警視庁捜査一課の精鋭がミスパンダ逮捕に乗り出し、死刑囚を囮にして罠にかけたことが示唆されるなど、サスペンスかつミステリーの要素が前面に押し出されてきた形です」(テレビ誌ライター)
謎が謎を呼ぶ展開に、色めきだっているのが“考察”好きの視聴者だ。日本テレビの日曜22時ドラマでは「3年A組」や「あなたの番です」で考察が盛り上がっていたものの、この「シロクロ」では考察を巡らせる余地が少ないとガッカリする人も少なからずいた。それがここで展開が急転したことにより俄然、ネットでの考察合戦が盛り上がっている。しかし、そんな盛り上がりも肝心の視聴率に繋がるかどうかは疑問だというのだ。
「第5話まで進んでやっと考察モードに入った本作ですが、遅きに失した感は否めません。なにしろ大きな転換点となった第5話の視聴率は6.7%と、前週から1.0ポイントも数字を下げています。前回までの本作はコミカルな演出が度を過ぎていて、サスペンスやミステリーに期待していた視聴者が失望と共に離脱。もはや横浜のイケメンぶりと清野の美貌を愛でるための番組と評されていました。警察官だった横浜の父親が遺体で発見されたという伏線こそ序盤から示されていたものの、視聴者の興味は父親役の田中圭と横浜が『あなたの番です』に続いて共演という点に集中。大事な伏線すらも余計な情報で覆い隠してしまった形です。物語の内容から考えても田中を起用する必然性はなかったはず。どうにも制作陣の迷走ぶりが目について仕方ありません」(前出・テレビ誌ライター)
第5話までついてきた視聴者は今後、ますます本作にのめり込んでいきそうだが、すでに離れてしまった視聴者を呼び戻すことができるのか。制作陣にとってはここからが真価を試される時期かもしれない。
(白根麻子)