戸田恵梨香主演の朝ドラ「スカーレット」(NHK)、2月24日から放送されている第21週はヒロインの幼馴染・大野信作(林遣都)と妹・百合子(福田麻由子)夫婦がメインの、題して「スペシャル・サニーデイ」。事実上のスピンオフ企画に、賛否両論が寄せられている。
「陶芸の故郷・信楽を舞台に女性陶芸家の先駆けとなる川原喜美子(戸田)の半生を描く、今回の朝ドラ。放送も残り5週間というのにヒロイン不在のこの展開に、ネットでは『ネタ切れたのか?』『ここに来て一週間のスピンオフ…いや本気で理解に苦しむ』といった不満が充満しています」(テレビ誌ライター)
ブーイングが上がるのにはワケがある。今月5日に、初めて穴窯の窯焚きに成功したシーンのあと、女性陶芸家として成功を収めるまでの7年間が描かれていなかった。そうした疑問が募っているところに、これまでのストーリと関係のないスピンオフ放送とくれば、怒りをぶつけたくなる視聴者の気持ちもわからないではない。
「この1週間、タイトルバックの脚本家の名前が水橋文美江氏から三谷昌登氏に代わっているところを見ると、近年叫ばれている“分業化”や“働き方改革”が理由かもしれません。しかし元々、スピンオフは最後まで観てくれた視聴者へのファンサービスの意味合いが強い。何の前触れもなく“スピンオフ”を挟むのは、ドラマの世界観を壊しかねません。仮に働き方改革が理由であれば、次回作『エール』のように最初から週5日の放送でスタートすべきだったのでは」(放送作家)
そんな中、今回のスピンオフに歓喜の声を上げているのが林遣都ファンである。
「スペシャル・サニーデイを観た遣都ファンからは『林遣都の魅力満載な一週間、遣都くんファンにとっては本当に贅沢でご褒美でしかなくて、感謝してもしきれない』『終わった半年後に“大野雑貨屋の奇跡”とか新作メインのスピンオフやって』などという嬉しい悲鳴が上がっています。“ヒロインロス”を林遣都の魅力でどれだけ埋められるのか、今週の視聴率が楽しみですね」(女性誌記者)
賛否が分かれた異例の“スピンオフ週間”は、吉と出るか凶と出るか。
(窪田史朗)