中居正広の3月退所で、元SMAPとして唯一ジャニーズに残ることになった木村拓哉。昨年暮れはドラマ「グランメソン東京」(TBS系/10月期)の主演で終え、今年はフジテレビ系2夜連続スペシャルドラマ「教場」(1月4&5日)で幕を開けた。オンエア3日後の8日には、ソロアーティストとして初アルバム「Go with the Flow」を発売。香取慎吾が元旦に初ソロアルバム「20200101」をリリースしていただけに、元SMAP対決が注目された。蓋を開けてみれば、週間売り上げで香取の2万7661枚に対して、木村は6万4986枚と大差をつけて圧勝。キムタク不敗神話が今も健在であることを証明した。
令和2年も上々のスタートとなっているキムタク。だが、俳優としてのおよそ30年の間には、深刻な時期もあったという。
「ドラマと映画で社会現象を巻き起こした『HERO』(フジテレビ系)。大ヒットメーカーの脚本家・福田靖さんが手がけたものですが、最初はドタバタでした。本来はフジのヤングシナリオ大賞を受賞した新人脚本家・大竹研さんが担当する予定でしたが、第1話の脚本を書いたあとに連絡がとれなくなったというのです」(エンタメ誌記者)
急きょ、3人の脚本家が交代で書くことになった。福田さんはその1人。短期間で書き上げなければならないため、スケジュールはいつもタイト。キャストの手元に台本が届くのはギリギリで、撮影現場は常に切羽詰まっていたという。それでも「HERO」は日本中を巻き込む大ヒットとなった。
「木村は基本、代役なしで自らすべてを演じます。それが災いしたのが、04年の月9ドラマ『プライド』(フジテレビ系)。実業団のアイスホッケーチームを舞台とした青春ドラマです。横浜市内のスケートリンクで行われていた現場で休憩中、木村が打ったパックがエキストラとして参加した20代女性の顔面を直撃。唇の裂傷と前歯1本が折れるケガを負う事故が起こっています」(前出の取材記者)
バツが悪かったのは、発覚したのが事件から8日後。「日刊ゲンダイ」が第一報を報じたことで知れわたることになり、木村、ジャニーズ事務所、フジがそれぞれ書面で謝罪文をマスコミ各社に送付した。
「これが『バレなかったら頬かむりしようとしたのではないか』と噂されました。ドラマとキムタクに暗い影を落としたのは言うまでもありません」(芸能関係者)
それでも数字を取ってしまうのが木村の凄さ。今年はコロナショックと東京五輪のため、エンタメ業界全体が縮小傾向にある。天下のキムタクも、少し鳴りを潜めそうだ。
(北村ともこ)