パフォーマンスはもちろん、生き様でもファンのハートをガッチリ鷲掴みだ。
ロックバンド・GLAYが4月3日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、5月16日の愛知・ナゴヤドーム、5月30、31日の東京ドームの計3公演の中止を公式サイトで発表した。
公式サイトでは「アーティストおよびスタッフ一同、公演の開催に向けて準備を進めてまいりましたが、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ご来場されるお客様とそのご家族、アーティスト、関わる全てのスタッフ、関係者の健康と安全を最優先に考え、開催を中止させていただくこととなりました」と説明。
また、12月19日に予定されている地元・北海道の札幌ドーム公演については今後の状況をみながら判断するとし、25周年の公約の1つでもある海外ロングツアーも同様に、感染状況が沈静化するまで先延ばしするとのこと。
当然、ファンにとっては残念な報告となったわけだが、公式サイトにはリーダーのTAKUROのコメント動画が公開されており、その内容に称賛の声が上がっている。
動画でTAKUROはまず「不眠不休で患者さんに向き合って日々治療を続け、医療に従事されている方には感謝しかありません」と、最前線で働く医療従事者に感謝の気持ちを伝えた。そのうえで「メンバーと話し合って、GLAYから医療に対して何かしらお役に立てないかと思い、1000万円を信頼できる機関を通して寄付させていただきたいと思います」と、医療従事者に1000万円寄付することを表明している。
「新型コロナ感染防止のため、中止・延期となった公演数は1550公演、その損害額は推計450億円におよぶと言われています。そんな現状とあって、King Gnuの井口理は先月28日に『すでにみんな1ヶ月仕事を失ってるんだから一刻も早く補償をしましょうよ!』と、補償を求めるツイートをしていたりと、音楽業界にもピリついた空気感が流れていることは間違いありません。特にGLAYは個人事務所とあって、今回のドーム公演の中止により受ける損害もかなりの打撃となったはず。いつ頃、コロナが終息するのかも分かりませんから、蓄えを大事にしていきたいところかと思いきや、中止したうえに1000万円を寄付するなんてなかなかできることではないですよね」(エンタメ誌ライター)
ファン、スタッフを想っての苦渋の決断、そして、医療従事者へ1000万円寄付するという男気ある行動をとったGLAYにファンからは「パフォーマンスだけじゃなくて、生き様もカッコいいんだよな」「こんな大変な状況でさすがだわ。いつまでもついていきます」「コロナ終息したら絶対ライブ行きます」「Mステのパフォーマンスもカッコよかったです」などといった称賛コメントが集まっている。
この発表があった同日に放送された音楽番組「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)では、ボーカルのTERUはファン人気投票1位となったミリオンセラー楽曲「SOUL LOVE」のパフォーマンス前に「え~こういう暗いニュースの多い状況ですけども、エンターテインメント、音楽だけでは楽しく、心を解放していけたらなと思います。是非、一緒に歌ってください」と、明るく視聴者にエールを送っていた。
GLAYとしても複雑な思いを抱えた状態でのパフォーマンスであっただろうが、ファンの胸を打つパフォーマンスとなったことは間違いないだろう。
(田村元希)