非常事態宣言が発出された7都府県を中心に、多くの学校がゴールデンウィークまでの休校措置を実施している。その状況でほとんどの家庭では自宅学習の難しさに直面しているようだ。
「3月の休校措置では《宿題がたくさん出た》といった程度で、数日でやり終えてしまう子供も少なくありませんでした。それが4月の休校措置では新学年の履修内容を自宅学習で先取りしていることから、子供に自習させるだけでの対応はほぼ不可能。親など保護者が四苦八苦しながら先生の代役を務めています」(子育て中の女性誌ライター)
なかでも大変なのが、自分で勉強する習慣がまだ身についていない小学生の家庭だ。学習内容も国語では音読、音楽では童謡の歌唱といった項目があるほか、理科や社会では〈自分で考えたことをノートに書く〉といった課題が多く、保護者の負担は小さくない。それだけでも学校の先生の大変さが実感できるというものだが、自習に慣れた子供の家庭でもまた、先生の苦労を実感しているというのである。
「勘のいい子供だと1時間分の学習をものの10分で終わらせることもあり、《本当にこれで終わって大丈夫?》と親が心配してしまうほど。しかし実際の教室では、先生たちが最大で40人もの生徒たちをいっぺんに相手にしているわけで、たとえ優秀な生徒がそろっていたとしても45分の授業時間内にすべてを終わらせられるとはとても信じられないのです。つまり先生たちは聖徳太子もビックリの八面六臂ぶりをこなしているわけで、保護者たちが驚くのも無理はありません」(前出・女性誌ライター)
なかには1日5時間(5コマ)程度に設定されている自宅学習をどんどん先取りし、早めに終わらせようと目論んでいる家庭もあるが、思ったほどには前倒しはできないようだ。そんな大変な授業を毎日こなしている先生たちは休校措置の終了後、これまで以上の尊敬を受けるようになるのかもしれない。
(白根麻子)