元SPEEDのメンバーで参議院議員の今井絵理子氏が4月8日に自身のインスタグラムアカウント、並びにツイッターアカウントで動画を公開し、手話通訳者への透明マスク配布の必要性を訴えている。
長男が感音性難聴であることを公表している今井氏は、政府や自治体の会見でマスクを着けずに手話をしている通訳者について言及。手だけでなく、口の動きでも言語を表現する手話の都合上、顔の下半分を覆ってしまう一般的なマスクは着用できないことが多いが、今井氏は「聴覚障がい者の方々への対応もとても大切です」と切り出し、「手話通訳士者の皆さんの安心、安全のために口元が見える透明マスクの配布も検討していただきたいと思います。国としてもしっかり支援できるように努めてまいります」とのコメントを手話と共に語った。
「口元の動きを隠さないよう、透明のマスクを配布しようという訴えは、実際に難聴の長男を持つ今井氏だからこその着眼点であり、手話通訳者の感染リスクを緩和することにも繋がります。SNSのフォロワーからも『素晴らしい動画ですね』『えり。ありがとう』といった感謝の言葉が届きましたが、ネットではいまだにかつての不貞報道で“相手の家庭を壊した”とのイメージが根付いているからか、『今井さんに好感は持てません。良い人キャンペーンにしか見えません』『こういう良いことを言っても、前のことがあるから台無し』『議員なんだから要望ではなくアクションして』『不貞をし、相手の家庭も壊した。議員辞職しろ』との厳しい声も。今回の今井氏の主張とは一切関係のないこうした理不尽なヤジは自業自得といえばそれまでですが、会見場でマスクを着けずにメッセージを伝えなければならない手話通訳者を救いたいという彼女の想いは、尊重されてしかるべきでしょう」(週刊誌記者)
中には、実際に透明マスクを使用した体験談として、「値段が高く、すぐ曇ってしまってあまり実用的ではありませんでした」との建設的な意見も出ているが、いかんせんプライベートでの騒動を咎めるヤジが大半を占めることから、そうした貴重な声が埋もれてしまう現状がある。
実現に向けての課題は多いのかもしれないが、手話通訳者にとっても今井氏の着眼と活動は非常にありがたいものになるのではないだろうか。
(木村慎吾)