新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で、テレビ局も対策に大わらわ。密集・密接の原因となる外ロケや、ひな壇でのスタジオ収録を中止しているが、最もそのあおりを受けている1人が“ロケ芸人”“ひな壇芸人”として国民的人気を誇る出川哲朗だろう。
冠番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(テレビ東京系)はスペシャルや特番などでつなぎ、「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)のコーナー《出川の歩き方》も、いつまでストックが持つかわからない。緊急事態は長期戦も予測されており、一部では“仕事がヤバイよ”なんて話も出ているが、それでも出川の出番は“コロナ後”も安泰だという。
理由は出川の業界での人望と、スタッフ受けの良さだ。いつもニコニコ、温和なイメージのある出川だが、2017年9月20日の「AERA dot.」でお笑いタレントのカンニング竹山が、出川の意外なシビアな一面を告白している。「充電させてもらえませんか?」に竹山がゲスト出演したときのこと。出川が地元の人たちと記念撮影や握手に気軽に応じる光景はおなじみだが、スタッフがそれを止めようとしたら、出川は「こっちがお邪魔してるんだから、そんなことしちゃダメだ」と怒ったのだという。何よりもファンを大事にする、出川の心温まる話だ。
出川の人柄は、元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の心も動かした。19年12月10日のテレビ東京の公式サイトで、稲垣、草なぎ、香取が「充電させてもらえませんか?」に出演することを告知。出川が元SMAPの3人と共演することを熱望し、オファーを出したという。3人は「出川さんとなら!」と快諾。番組プロデューサーでさえ、ロケで本人に会うまで、信じられなかったというから驚きだ。
「その大らかな性格で仕事仲間から親しまれる出川ですが、愛妻からも結構なイジリを受けているようです。19年6月に出川が『TOKIOカケル』(フジテレビ系)に出演した際、長瀬智也に妻から何と呼ばれているのか聞かれると、出川は『奥さんは僕のことを“くそテツ”と呼んでおります』と告白。呼び名は転々と変わるらしく、“くそテツ”はかつての呼称で、今は“じじい”と呼ばれているとか。ひどいように思えますが、これも愛情表現の1つでしょう」(テレビ誌ライター)
「ヤバイよ、ヤバイよ」と言いながら、人望を積み重ねているようだ。
(石田英明)