小泉進次郎環境相が4月28日、閣議後の記者会見の席において、新型コロナウイルスの感染リスクの高い状況下で働くゴミ収集作業員に宛てて、感謝のメッセージをゴミ袋に書くことを提案して波紋を広げている。
小泉大臣は、「いつもありがとう」というメッセージと収集車の絵が描かれたゴミ袋を掲げ、「休校や外出自粛で家にいる時間を使って、ごみ袋にメッセージを。SNSでも発信を」と呼びかけた。
「小泉大臣が掲げたゴミ袋のメッセージは、環境省の職員の子供が書いたものらしいですね。確かに子供が書いた感謝のメッセージを目にした作業員はほっこりするでしょうし、リスクをおして国民の生活を支えてくれる方々に対して感謝の心を持つことを小学生に学んでもらうのは大切なこと。ただ、これは会見で環境大臣が呼びかけることなのかと、国民の批判が噴出しているんです」(ニュース番組関係者)
ネットでは「感謝のメッセージは上から強制されて書くものではない」「作業員が本当に必要なのは、安全性を保つための装備や手当だろ」「国民の善意を当てにしてタダで何かをするんじゃなく、ちゃんと金かけて補償しろ」「ただでさえ在宅でゴミの量が増えているのに、いちいちメッセージを読んでたら作業効率悪くなる」「小泉さんが大臣になってから、がっかりすることばかり」などと、非難囂々だ。
全国的に外出自粛が要請される中、大変な苦労とリスクを抱えながら、インフラや物流を保つために外に出て働く方々に必要なのは何なのか。事の本質から目をそらし、お手軽に思いつきで提案するなら、小泉大臣の存在感はますます小さくなっていくばかりだろう。
(石見剣)