誰にでも、「もっとこうしたい!」という“欲求”ってありますよね。もちろん、恋愛においてはとくにです。
その欲求自体は、恥じることではありません。ただ、「彼にもっと、こうして欲しい」という願いを持ち過ぎ、その気持ちを押し付けることは禁物です。欲求はいくらでもOKですが、“要求”はよくないのです。
相手には相手の欲求があります。その欲求を無視してしまうような要求は、相手の気持ちを萎えさせます。愛とは、相手を慈しみ、守りたくなる感情のこと。心から人を愛したとき、人は相手の幸せを心から願うものです。そのときに「もっとこうして欲しい!」という要求はあまり出てきません。むしろ、「相手に尽くしたい!」と感じるはずです。
要求が強過ぎる人というのは、相手を本気で愛してはいません。実は、相手ではなく自分を愛しているのです。自分を他人から愛してもらい、守って欲しいだけなのです。
その心の裏には“不安”が存在しています。自分の価値を自分自身が認められないため、他人から愛されて「私には価値がある」と感じたくて仕方ないのです。ところが、あまりに他人から愛されたいと願う人は、残念ながらなかなか本気で愛してもらえません。心は、伝わる。「この女性はいつも自分のことしか考えていないな」と思われてしまうのです。
もちろん、自分の心のうちに眠る、本当の欲求に正直になるのは悪くありません。しかし、その思いを相手には優しく伝えることです。そして、全てをかなえようとしないこと。だって、あなたと相手は“違う人間”で、100%同じ価値観の人なんてこの世にひとりもいないのですから。
まずは、本気で相手を愛すること。そのうえで、欲求を上手に、ときには小出しに表現できる女性は、男性には「要求されている」とはみえません。そこが、恋愛関係が続くかどうか、盛り上がるかどうかの大きなポイントではないでしょうか。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)