開催中の大相撲7月場所を7月25日の7日目から休場している東前頭5枚目の阿炎。休場理由について、師匠の錣山親方(元関脇寺尾)は25日のテレビ解説時に「数人のお客さんと会食に出たため、本日から休場させます。こういう時期に軽はずみな行動、申し訳ありません」と、新型コロナウイルスの感染予防のガイドラインで「不要不急の外出を控える」ことを謳い、協会全体で感染予防を徹底している中での弟子の不適切行動について謝罪。続けて「本当に最低」と怒りを露わにした。
翌26日、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は阿炎の外出について、「会食と言われるけど、接待を伴う夜の店。不特定多数を接待することによって感染することがあるということ。小池東京都知事が言う“夜の店”。スナックなのかラウンジなのかキャバクラなのかわからないが、夜の店。場所前と場所中の2回あった。情状酌量の余地はない。相撲で接触させられない」と、詳細を語った。
なお、阿炎は25日に37.6度の発熱があり、当日と翌日の2日続けて抗原検査を受けて陰性だったことが判明したが、PCR検査を受ける予定はないという。
「協会のガイドラインで、37.5度以上の発熱があった場合、PCR検査か抗原検査を受けるとされています。阿炎は2度の抗原検査で陰性でしたが、そもそも抗原検査はウイルス量が少ない場合は精度が落ちるため陰性判定されても感染していないという証明とはいえず、PCR検査と比べると確実さで劣ると言われているので、なぜPCR検査を受けないのかという疑問の声も上がっています。6日目まで6人の力士と相撲を取っており、接触がありますので、念には念を入れる意味でもPCR検査が望ましいとは思います」(相撲担当記者)
この阿炎休場のニュースには、ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏が25日、自身のツイッターで「異常なレベルの処分。ひどすぎる」と相撲協会の処分に対して独自の見解を示すなど、賛否が巻き起こっている。
「阿炎の場合、問題行動はこれが初めてではありませんからね。昨年11月、自身のインスタグラムに仲の良い十両力士・若元春の手足や口を粘着テープでぐるぐる巻きにしてふざける動画を投稿したことを問題視され、協会から厳重注意を受けています。そして今年2月、再発防止の意味で協会は力士向けにSNS研修を行ったのですが、阿炎は研修について『聞いてない。爆睡していた』などと発言し、師匠と共に協会に謝罪しています。今回の厳しい処分にはこれまでの問題行動の累積という意味もあるのでしょう。場所後には出場停止など、さらに厳しい処分が科せられる可能性もあります」(前出・相撲担当記者)
阿炎は現在26歳。18年初場所に入幕すると奔放な発言もあって人気力士となり、最高位は東小結、敢闘賞2回。先月24日には一般女性と結婚したばかりだが、家庭を守るためにも、そろそろ大人の節度を身につけていただきたいものだ。
(石見剣)