キャスターの安藤優子が8月19日放送の「直撃LIVE!グッディ」(フジテレビ系)において、炎天下の京都でリポートを行なっていた女性ディレクターへ非情な扱いをしたとして批判を集めている。
同日放送回の「グッディ」では、気温が40度を超える京都から女性ディレクターがその猛暑ぶりをリポート。現場からスタジオへ暑さの体感を伝える中、女性ディレクターは徐々に「フラフラしてきました」「暑くてボーっとしています」などと熱中症の兆しがあることを訴えると、一旦「(スタジオに)お返ししますね」と半ば“ギブアップ状態”でスタジオの安藤へと映像を返した。
これに驚いた安藤は「返しちゃうの? 私、返されたのね」と笑いつつ、「えーっと、もう1回お返ししていいですか?」とディレクターにリポートの続行を要請。さすがに周囲も安藤の言動に焦ったのか、MCの高橋克実が「休憩した方が良い」と忠告すると、お笑いタレントのカンニング竹山も「早く車に入って休んで」とディレクターの安全を優先すべきとの姿勢を示した。
この安藤によるディレクターへの“鬼の対応”が多くのネットニュースに取り上げられ、「熱中症になったらどうするんだ!」との批判が集まり、大炎上。フジテレビによれば、その後の女性ディレクターの体調に問題はなかったようだが、最悪の場合は死に至るケースもある熱中症が大きな社会問題となっている中、安藤の振る舞いは非情なものだったと言わざるを得ないだろう。
■「女のくせに」の揶揄をものともせず
「幸いにも女性ディレクターは熱中症ではなかったようですが、取り返しのつかない事態になる恐れもあったため、さすがに安藤も反省していると思いますが、安藤自身、猛暑の京都を遥かに凌ぐ危険地域から“決死のリポート”を行なってきたのも事実です。90年代、完全なる男社会だった報道の世界において、徹底した現場主義を貫き、男性でも怯んでしまう湾岸戦争の現地リポートを日本人として唯一敢行しました。本人によると、キャスターとしての出世ぶりに周囲からは“女のくせに”との揶揄も受けたと明かしていますが、それでもポリシーを曲げず、タフなリポートにも一切の躊躇なく飛び込む姿勢を見せていました。今回、炎天下のリポートを行ったのが女性だったことから、安藤からすれば、“そんなことでギブアップしたら女性が舐められてしまう”、“私の若い頃に比べたら…”といった想いに火が付いてしまったのかもしれません」(テレビ誌ライター)
お笑い界でいえば、ベテランの明石家さんまもバラエティ番組の収録スタジオを「戦場」と呼び、出演者にも“一瞬の油断すら許さない”といったストイックな姿勢を要求することで知られている。
昭和の時代を生き抜いてきたさんまや安藤のテレビにかける想いがあまりにも強すぎるがゆえに、令和の時代にはやや不釣り合いな印象を持たれてしまっているのかもしれない。
(木村慎吾)