「休校で学習が遅れている」「模擬試験が減った」「学校見学できない」「出題範囲が不確定」など、コロナ禍でいつもとは違う状況に置かれている受験生たち。今年は生徒も親も、来年度の受験に不安を隠せないようです。
ベネッセが2020年8月、全国の中高生と保護者に対して行った『コロナ禍における受験生影響調査』によれば、受験生の中3生・高3生ともに、8月の1ヵ月あたりの校外学習費用が約8,000円程度減少したのだとか。塾の休校や、世帯年収減の傾向などが影響していると考えられるそうです。
2人に1人が「志望校決定のための情報が不足と感じる」と回答したり、「コロナの影響で受験勉強や志望校選びに支障が出ている」と回答したりしているのが実に約7割にも上っていることから、例年よりも厳しい状況に置かれているのが分かります。
ネット上の親の投稿では、「高3受験生の子どもがおります。休校から約2ヵ月、勉強のべの字もしていません。毎日ゲームで遊び呆けている子どもを間近で見ているのも辛いです」「コロナ禍で自粛中、賢い子は勉強、バカな子は自堕落。差が最も出て無駄のない受験になりそう」などの声も挙がっており、自宅学習の重要性を皆、感じているようです。
そんな中、多くの企業は無料教材を配布するなど、サポートの動きをみせています。例えばベネッセは、例年とは異なる状況で勉強と向き合う受験生の困り・悩みを解消する目的で、無償サービス「ベネッセ 教育情報フォーラム」を実施中。入試セミナーや中3向けの地域別受験戦略の解説や、中3・高3の学習を支援する「受験対策教材」の一部無償提供も行っているようです。
また、Z会は「中高生のための自宅学習サポート」と題して、web上でZ会の通信教育の学習アドバイスや教材を無料で提供しています。他にも、栄光ゼミナールでは「秋のオンライン講習」として、Zoomによるオンライン授業とエキスパート講師による「映像学習」を組み合わせた講習を実施。夏までに学習したことを一気に復習できる講座を、教材費のみで開催したそうです。
中高生の受験生を抱える親は、なにかと不安が大きいはず。「今年は不利だわ……」と思わず、こうした無償サポートを利用してみるのもよいのではないでしょうか。