お笑いタレントの東野幸治が9月27日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演し、多くの芸人が経験してきたという“ダウンタウン病”について言及している。
レギュラーのダウンタウン松本人志が2度目の夏休みで欠席したこの日の放送では、代役にアンジャッシュ児嶋一哉を迎え、話題はダウンタウンが周囲の芸人に与えてきた絶大な影響力について及んだ。
ゲストのウエンツ瑛士が「東野さんがよく、ダウンタウンさんに会った時に何かこう諦めたっていうことをおっしゃってるじゃないですか。どういう経緯があったんだろうなって知りたくて」と質問。これに東野は「僕とか児嶋さんとかは皆かかる、“ダウンタウン病”っていうはしかがあるんですよ。ダウンタウンさんがデビューして世の中にバーっと出てきた時に、その後の後輩、全員がダウンタウンと同じような漫才をするんですよ」と答え、多くの芸人がダウンタウンの模倣をしてきたと振り返った。
具体的なケースとして、「アンタッチャブルも“ダウンタウン病”にかかってますから。ザキヤマ…山崎さんも引き芸でしたから。口数少なくボケて、柴田が大きく突っ込む。楽屋帰ってめっちゃ喋る、舞台上がったら急に静かになるっていう」とコメントし、現在のアンタッチャブルからは想像もつかない“ダウンタウン病”時代を明かした。
すると、児嶋も「僕も松本さんになりたかったからボケやってたんで、ボソッとボケて。僕の場合ウケないんだけど、ボソっとボケて、ツッコミの人だいたい『殺すぞ!』みたいな(口調になる)。浜田さんに影響されて」と告白。東野によれば、「僕ら、全員それを経てる。1回、負けてから始まるんですよ」とのことで、ダウンタウンを真似しても超えられないことに気付き、自分なりのスタイルを確立した人間から順番にブレイクし始めていったという。
「ダウンタウンの凄まじいお笑い界への影響力が明かされましたが、当の松本本人は過去にラジオ番組でこうした芸人の傾向に苦言を呈したことがあります。松本は、上の世代である紳助竜介やオール阪神・巨人らがお笑いブームの中で席巻していた“しゃべくり漫才”を根底から打破する、スローテンポの新しいスタイルを確立。つまり、ダウンタウンは先輩の真似ではなく、むしろ逆のことをやってきたことから、松本は『ダウンタウンの真似をするならそこの姿勢を真似せえよ』と語り、ダウンタウンの漫才スタイルを踏襲するのは全く意味がないと主張していました。また、プライベートで親交のある吉本興業の後輩たちが次々に松本のコピーのようになり始めていることを懸念し、千原ジュニアにはある時期を境に『俺とはつるまない方が良い。それがお前のため』だと告げ、距離を置いたといいます」(エンタメ誌ライター)
多くの芸人が一度はかかってしまうという“ダウンタウン病”だが、東野は「ダウンタウン病が治ってきた人から仕事が増える」とし、自らの現在の仕事については“スタッフに言われたことを紹介するフリーアナウンサー”だと表現した。
事務所の垣根を超えて影響力を与えたダウンタウンの存在は、やはり他の芸人とは一線を画すものがあったようだ。
(木村慎吾)