先日、俳優の榎本孝明が30日間の「不食」生活を行い、体重が9kgも減ったというニュースが話題になった。
「榎本さんが不食を試した背景には、長年続けている古武術の考えがあるようです。医師の厳重な管理の元で、ブドウ糖と岩塩、水分にコーヒー、日本茶は補給していたと聞いています。これは人間が活動や生命維持をするうえで最低限必要なエネルギーや水分を確保するためなのです」(ダイエットに詳しいフットネスライター)
私たちのカラダは、たんぱく質、炭水化物、脂質の三大栄養を絶ってバランスを崩してしまうと、重大な障害を引き起こすことが知られています。
例えば、人の体は外部からのエネルギー供給が絶たれると、体脂肪を分解して糖質に変換して消費します。
これにより体重が減るため、一見ダイエットに成功したかと思うのですが、さらに栄養が入ってこない状態が続くと、今度は筋肉を分解してエネルギーにしてしまい、適正な体型が維持できなくなるばかりか、最悪、動くことも困難になるのです。
「榎本さんがブドウ糖を摂っていたのは、この現象を防ぐため。また、岩塩を摂っていたことも大きいでしょう。岩塩には、体の機能調整や代謝に必要な様々なミネラル類が含まれています。だから、不食中も代謝、調整機能が極端に落ちることがなかったと考えられます」(前出・フィットネスライター)
実はこのミネラル類、これからの暑い季節を乗り切るためには無くてはならない重要な成分。適切に補給していないと汗とともに失われてしまい、栄養の代謝や機能調整力が落ち、いくら水分だけを摂っていても、熱中症になりやすくなる可能性もある。
「このところ、『塩抜きダイエット』などが話題になっていますが、これも“過ぎたるは猶及ばざるが如し”。特に夏場のダイエットの場合、岩塩などで適度に塩分を摂らないと、仕事中に倒れることも。また、代謝がうまくいかなくなって、かえって痩せにくくなる可能性もあるのでご注意を」(前出・フィットネスライター)
薄着になる本格的な夏が近づき、急いで痩せようと無理をする人も多いが、特にこの季節は、極端なダイエット法にはくれぐれも気をつけたいものだ。