ダウンタウン・浜田雅功が心を許す数少ない芸能人に、木村拓哉がいる。2人は、95年に放映されたドラマ「人生は上々だ」(TBS系)で共演。現場では、木村のほうから歩み寄った。休憩時間でもキャストやスタッフの輪のなかに居続けた浜田を俳優の鑑だと思ったからだ。出会って四半世紀。今では、双方が認める親友だ。
その親友を利用して、浜田が“身内”を喜ばせたことがある。プライベート、職場でも四六時中一緒にいる後輩の吉本芸人、どりあんず・堤太輝のことだ。
どりあんずは、平井俊輔と堤の漫才コンビ。全国的な知名度は低いが、ダウンタウンや浜田のレギュラー番組で前説を担当している。関西のテレビ局が制作している浜田のレギュラー番組「浜ちゃんが!」(読売テレビ)や「ごぶごぶ」(毎日放送)の視聴者にはおなじみの“浜田ファミリー”だ。ちなみに、このファミリーのリーダーは、ライセンス・井本貴史。旅行やゴルフ、誕生日会や宴席には欠かせない用心棒でもある。
堤は、大のキムタクファン。それを知っていた浜田は14年ごろ、プライベートのゴルフコンペに木村をシークレットゲストで招いた。
その日は、ゴルフ初心者の品川庄司・庄司智春も参加していた。移動車で1席だけ空いていて、誰かが遅れている様子だった。そのとき、扉から入ってきたのはまさかのキムタク。堤は「キムタクやー!」、庄司は「うわー!」と大声で叫んで、放心状態に陥ったという。
「堤は震える声で、『つつみ・たいきです』と挨拶しました。浜田から『たいき』と呼ばれているため、木村さんは『じゃあ、“ツッツ”って呼ぶね』と距離を縮めるためにまず、呼び名を付けてくれたそうです」(スポーツ紙記者)
酷暑の時期。何ホールか回った途中で、木村が忽然と姿を消した。浜田が痺れを切らして「これ、何待ちや? あいつ、おらんなったぞ。ババか?」と下品な言葉を並べて、場を盛り上げた。次の瞬間、姿を現した木村の両手には、冷えたジュースやアイスクリームがふんだんに詰まった袋があったという。
「すごいのは、一緒に回っている芸人の分だけではなく、キャディーさんの分まであったことです。気づけば、浜田一行のラウンドにはキャディーさんのみならず、偶然居合わせたギャラリーも集まって、木村にうっとりしていたそうです」(前出・スポーツ紙記者)
カッコいいの代名詞といえるキムタク。呼称をつけて距離感を縮めるのは、浜田から学んだ人心掌握術。おかげで、“ゴルフも上々”だったか。
(北村ともこ)