心理学では、何かが起きたときに「自分のせいだ……」と思ってしまう気持ちを【内罰的】といい、「自分以外の人のせいだ……」と思う気持ちを【外罰的】といいます。
一般的に、内向的な人には内罰的な傾向があり、外交的な人には外罰的な傾向があるといわれています。でも、一概にそうとばかりはいえない場合もあります。恋愛に関しては、この法則が当てはまらないこともあるのです。かなり外交的な人でも、何か起きると内へ内へと向かうタイプの女性がいて、恋がうまくいかないと「私のせい」と思ってしまうケースが多いのです。
この内罰的な気持ちが強過ぎると、ふられたときに立ち直れなくて苦しい思いをしがち。人の性格なんて、なかなか変わるものではありませんが、意識的に外罰的な自分になることで、失恋の苦しさから逃れやすくなります。
方法は簡単。好きだった男性を美化しないことです。「たいした男ではなかった」と自分に思いこませること。これは、心理学でいう【すっぱいブドウの理論】というものです。
イソップ物語で、キツネは森の中でブドウをみつけます。そのブドウが欲しくて何度もジャンプして取ろうとするのですが、なかなか届きません。そこで、キツネはこう言って諦めるのです。「あれは美味しいブドウじゃない。すっぱいブドウだ」と。
この考え方こそ、あなたが失恋から立ち直るときに役立てるべきものなのです。あなたが忘れられずにいる彼は、“すっぱいブドウ”だったのです。美味しくない男性のことなど忘れてしまい、「甘いブドウを探しに行こう!」と自分に言い聞かせるのです。
ただし、この理論に頼り過ぎて、友だちの前で元カレの悪口ばかり言ってしまうのはNG。そういう行動はあなたの品格を下げますから、モテないオーラをまとってしまいます。心の中で、「あの男はいい男じゃなかった……」とつぶやく程度がちょうどいいのです。ほどほど外罰的になり、失恋から立ち直りましょう。
(恋愛カウンセラー安藤房子)