菅野美穂主演のドラマ「砂の塔 知りすぎた隣人」(TBS系)で話題になっている、タワーマンションの住民格差。上層階の住民が下層階の住民をバカにしたり、上層階同士でも「どちらが上」という争いを繰り広げていたり‥‥。
ドラマゆえ多少は過激に描かれている部分もあるが、実際のタワーマンションではどうなのでしょうか。そこで、住人に実際に話を聞いてみました。
まずは神奈川県の東急線沿線に住む38歳の女性から。結婚してすぐに、現在のタワーマンションに引っ越して出産、子育て中だが、30階建ての6階に住んでいるという。
「うちのマンションは子育て中の家族が多く、毎日何台ものベビーカーとすれ違います。子どもができるまでは知らなかったけど、保育園や幼稚園などを仕切っているママさんが同じマンションにいて、そこに行かないと近所であまり仲良くしてもらえないという話はあります。イヤなのは、スーパーや子どものものを買いに行くとき、いつでも住民に会うこと。ゴハン何にするのとか、カゴを見られて値踏みされているような気分になります」
エレベーター内での「何階のボタンを押すか」によるマウンティングについては‥‥?
「私はあまり気にしていないけど、2階、3階の人は階段を使う人も多いようです」
これは上層階の人と乗り合わせたくないがゆえか、エレベーターを待つより階段を上ったほうが早いからなのか。
また、東京湾を見渡せるベイエリアのタワーマンションに住む会社経営者・35歳男性の話はこう。
「今のところはマンション内にスーパーもコンビニもあって、コンベンションルームもついていて快適。僕は独身だから女のコをつれてくるのにもちょうどいいし、気楽ですよ。5階だからそんなに高くもないし。でも、上の階には家族で住んでいる人たちもいて、そんな気楽にしてる僕をさげすむような視線を感じることも、しなくもない(笑)。マンション内のスーパーでよく会う人も、あまり挨拶はしてくれませんね。東日本大震災のときにエレベーターが使えなくなって、そこの家族の子どもが階段で上層階まで上れずに泣いていたのを、助けて一緒に上ってあげたのは僕なのに‥‥」
今後は上層階も固定資産税が上がる予定で(現在は敷地面積に応じているため、同じ間取りであれば階に関係なく同額)、高層階にはお金もかかるし、エレベーターが使えない状況になるとつらいということで、「基本的に、家族連れはタワーマンションに住んでもいいことはないのでは? 金稼いでいる人の見栄のためにあるようなものだから」と、この男性は言います。
高層マンションに憧れを持つ人も多いと思うが、こうした現実を踏まえて、じっくり考えたいところです。