町の健康センターに数百人のマダムたちが集まり、色とりどりのサイリウムを揺らす。メンバーは華麗に歌い、踊り、そして客席に降りてファンとのスキンシップに余念がない。「噂のムード歌謡」アイドルグループ「純烈」のライブは、今、日本でもっとも濃密な空間かもしれない。今回は昨年末でメンバーを脱退した林田達也を直撃インタビュー!
──残念ながら「純烈」を卒業。
林田 そうですね、昨年12月26日に最後のライブをやらせていただきました。
──ファンにも「王子」と親しまれ、グループも大ブレイク間近という時期だけに、本当に惜しい。
林田 決心したのは8月でした。母親がステージ4の子宮頸がんで父親が重度の糖尿病と体調がすぐれず、そこに小樽の祖母が亡くなったことも重なり、後悔はしたくないなと思いました。両親の面倒を見ることを優先させたいと。
──なるほど、長男としての責任感ですね。さて「純烈」で過ごした日々、どんな思い出が?
林田 メンバーとは家族以上に一緒にいましたからね。とにかく常にライブができたこと。1つ1つのステージがいい思い出ですね。
──熱狂的なファンが多いグループですが、記憶に残る人は?
林田 テレビでも紹介されていましたが、ファンの人が差し出したハンカチで汗をぬぐって返す……そのハンカチを冷凍保存している方がいました。
──それでこそ純烈ファン(笑)。さて、純烈参加以前のビジュアルバンド時代から慣れ親しんだ歌の世界と当面はお別れ。
林田 純烈以外で歌う気はないので、もし何年後か……またそういう機会があればグループに戻ることもあるかもしれません。
──いずれにしても、いい形でまた歌える日が来ますことを。