明日のスターを夢見て、ダンスや歌のレッスンを重ねるジャニーズJr.たちのために、かつては東京・表参道に合宿所があった。中・高生の男子だけによる共同生活。血気盛んな思春期とあって、トラブルや軋轢もあったようだ。なかでも関西人出身のJr.たちは笑いにシビアだった。取材経験が豊富なアイドルライターが振り返る。
「いちばんの犠牲者は、V6の岡田准一でしょうね。彼は、中学生時代に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の“ジャニーズ予備校”に合格して、ジャニーズ事務所に入所。親元を離れて合宿所入りしました。このときのルームメイトが、同じ関西出身のKinKi Kidsの堂本剛。奈良県出身の剛ですが、かつてはお笑い芸人を目指していたほど大のお笑い好き。関東のJr.たちを集めては、大人しかった岡田に『おもろいこと言うて』『一発ギャグやって』と無茶ぶりしていたそうです。その度に頑張った岡田ですが『関西人のクセにつまらん!』と一蹴されたとか」
しかし、堂本の“お笑いスパルタ教育”の成果が表れるときがきた。
「岡田は、映画『マスク』(94年)のジム・キャリーのモノマネをしたそうです。肩をすくめ、アゴを出して笑ってみせたところ、バカうけ。この一芸で“つまらん男”という汚名を、なんとか返上できたようです」(前出・アイドルライター)
もともとV6の中では司会者気質の井ノ原快彦とは真逆で無口な岡田。堂本のオモチャにされたことによって、眠っていた才能が開花したのかもしれない。
(北村ともこ)