12月7日の「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)のゲストコーナーに女優の常盤貴子が登場。出演ドラマの裏話などを語った。その中で興味深かったのが、1995年の「愛していると言ってくれ」(TBS系)でヒロインを務めた余韻が冷めないうちに、すぐに別のドラマに出演したときのエピソード。
常盤と豊川悦司が主演した「愛している~」は、聴覚障害のある画家と女優の卵が愛を深める感動物語。最終回は視聴率28.1%を記録した。ドリカムが歌う主題歌「LOVE LOVE LOVE」も大ヒットした。
このドラマが9月に終了した直後、常盤は翌10月スタートの「まだ恋は始まらない」(フジテレビ系)にレギュラー出演した。月9枠で放送された同ドラマは、江戸時代に身分違いの恋に悩んで心中した男女が現代に生まれ変わって、再び出会うまでを描いたもの。小泉今日子と中井貴一が主演で、常盤はやり手の弁護士役だった。
「『まだ恋は~』は、コメディ・タッチのドラマで、5番手か6番手くらいのちょっとした役だったんです。そうしたら、『“愛している”の役が大好きだったのに、イメージを壊すのか』とか『私たちのこの何カ月間を台無しにするつもりですか』というクレームが来て」と明かした。
当時は主演俳優が次のクールの別の作品に出演することはほとんどなかった。しかし、若手女優だった常盤は、吸収の時期と考え、仕事自体も楽しかったこともあって、「やりたい、やりたい」と手を挙げていたら、テレビ局のスタッフからも「連投はよくない」と怒られたそうだ。
「でも、時間を置かずに別の作品に行ったから、今があるのかなと思う。1つの役に入り込みすぎちゃうと、その役が抜けなくなっちゃうことがあるんですよね。ほかの女優さんとか俳優さんを見ていても、どっぷり入って、その役を一生引きずっちゃっている人ってけっこう見るんです」
常盤はこの12月24日に放映される松本清張原作の「鬼畜」(テレビ朝日系)で、夫の愛人が産んだ子ども3人に憎悪の目を向ける妻役を演じている。その撮影現場では、憎しみの気持ちを保つため、子役たちとは距離を置き、「おはようございます」と挨拶されても、睨み返すようにして、本気で怖がらせていたという。
このくらい徹底しているからこそ、撮影が終わった後、その役を引きずることもないのだろう。