嵐5人のそろい踏みが見られるのは、あと1カ月弱。ここまで、メンバーの増減なく疾走してきた21年間だった。ファイナルステージは、活動休止の日となる12月31日に開催する生配信ライブ「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」と「第71回NHK紅白歌合戦」(NHK)。99年のデビューからファンと共に作り上げてきたライブを終幕の舞台に選んだのは、“らしい”選択だ。会場非公開で、観客なしの生配信は嵐史上初の試みになる。
だが、新型コロナウイルスの影響によって予定が大幅に狂った今年、嵐はもうひとつ「初」を経験している。
「テレビの収録中、カメラが回っていないときは私語が禁止になりました。これによって収録の合間は基本、会話がなくなったんです。さらに楽屋が別々に。これは21年で初めてのこと。これまでは誰かが風邪をひいたときなどは、その人だけが違う楽屋になったことはありましたが、バラバラはさすがになかったそうです」(アイドル誌ライター)
とはいえ、これといった問題はないようだ。楽屋や食事時のメンバーの雰囲気は、まるで老夫婦さながらで、さしたる対話はない。また、長時間生放送の大型音楽番組になると、楽屋は同じでも行動はバラバラになるからだ。
腰痛持ちの二宮和也は楽屋のパイプ椅子に長時間座っていられないため、社用車に移動し柔らかいシートの上でゲームに興じる。テレビのチャンネル権を持っている櫻井翔はニュースと新聞のチェックに余念がない。
全員が楽屋に揃っていてもメイク、着替え、リハーサルの映像チェックなどでバタバタ。楽しく会話をすることはそもそもないからだ。
「かつて松本潤がラジオ番組で『家にいるのとあんまり変わんないですかね。家族でいるのと多分変わんない』と語ったことがあるほど、楽屋は静からしい。ヒット曲の『復活LOVE』のプロモーションビデオに生田斗真が出て、同じ楽屋だったとき、それぞれが好きなことをしているメンバーを見て、『嵐ってさ、楽屋こんなに静かなの?』と驚いたといいます」(前出・アイドル誌ライター)
本や新聞を読んだり、音楽を聴いたり、ゲームに没頭したり、仮眠を取ったり、近い距離にいてもみんながマイペース。これこそ嵐が長く続いた秘訣かもしれない。
(北村ともこ)