「インポスター症候群」をご存知ですか?
これは、成功を能力や実力によるものではなく運がよかった結果だと感じ、自分の力を信じることができない心理傾向のこと。こうしたことから、仕事やプライベートでの自身の行動を自信に変えることが難しいと感じている女性は少なくないようです。
ヴィエリスが2020年11月、丸の内勤務の女性108名を対象に実施した調査では、仕事において「自分の今の立ち位置は実力ではなく、運がいいから、周りの人に恵まれたからだと思うことがある」と感じている人は81.5%にのぼったそう(「とてもある(45.4%)」、「少しある(36.1%)」の合計)。さらに、「実は自分に能力がないことを人から見抜かれるんじゃないかと不安になることがある」と感じている人は73.2%(「とてもある(26.0%)」、「少しある(47.2%)」の合計)でした。
他にも、頑張ったときのエピソードよりも頑張れなかったときのエピソードの方をよく覚えている、評価されたり人と比較されたりすることからできるだけ避けていると感じる、仕事を任せられた際に別の人の方が適任だと感じる、自己肯定感を持てていないと感じる──このような人は少なくなく、自分がインポスター症候群だと感じている人は46.3%と、半数にも迫ったそうです。
この調査は仕事面に関するものですが、自身の取り組みについて実績よりも過小評価し、そのことで自信を持てずにいる人が多い様子。周囲からの評価や期待を素直に受け取ることができず、不安が押し寄せてしまう傾向もありそうです。
今年1年を振り返り、皆さんはどんなことを考えますか? 振り返ると自分を責めてばかりになってしまうという場合は、捉え方に偏りがある可能性もありそうです。自身の心理傾向をすぐに変えることは難しいですが、傾向に気付くことには意味がありそうです。
不安ばかりにとらわれずに自分の成果について冷静に捉えることができるようになったり、100%満足のいく結果でなくても頑張った部分や成果を出した部分を認めてあげたりすることができるようになるかもしれません。自身の振り返り材料の一つとして、自分の心理傾向を考えてみてはいかがでしょうか。
(Nao Kityota)